2021 Fiscal Year Research-status Report
Detection of viable but non-culturable foodborne pathogens
Project/Area Number |
18K05470
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
川本 恵子 麻布大学, 獣医学部, 教授 (20360977)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サルモネラ / VBNC / ABCトランスポーター / ストレス応答 / Quorum Sensing |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌は、乾燥、高塩濃度、飢餓などのストレスに曝されると、生きてはいるが培養できない(viable but non-culturable, VBNC)状態へと移行する。VBNC状態の細菌は、通常培地では増殖しなくなるためコロニーを形成しない。しかしながら、高い生存率を維持し、ひとたび動物やヒトの体内に侵入すると、このような「休眠」状態から回復して病原性を発揮する可能性がある。本研究では、浸透圧ストレスにより速やかにVBNCへ移行するサルモネラ株を用いて、VBNC状態および定常時の分子プロファイリングを明らかにすることを目的としている。
前年度のディファレンシャル2次元電気泳動および定量PCR解析結果から同定されたYneAはVBNC状態で発現が亢進している。今年度は、YneAのVBNCにおける機能解析のツール作り(YneAタンパクの定量、定性的解析に利用できる特異的抗体の作成と、本分子をコードする遺伝子の強発現系、CRISPR/Cas9によるゲノム編集による関連遺伝子欠損株の作成)を中心に行った。次年度はこれらの研究ツールを用いて、VBNC状態におけるYneAをはじめとする関連分子の機能について解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
途上国でのVBNC菌の疫学調査がコロナ禍のため実施できなかった。また、当該年度に所属大学の異動があったため、研究室の引っ越しとセットアップで時間を要した。以上の理由から進捗状況をやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は所属大学の異動があり、研究室のセットアップに時間を要した。一方、その後の機能解析に必要な研究ツールの作成はできたので、2023年度は研究の遂行を加速化させる。また、コロナ禍で延期を余儀なくされていた途上国での疫学調査は、新たに勃発した世界情勢の変化を注視し、安全に遂行できるかどうか夏までに判断し、慎重に再開する。
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Causes of Carryover |
2021年度は所属大学の異動があり、研究室のセットアップに時間を要した。また、コロナ禍で途上国での疫学調査を延期した。上記の事情のため、予定通りの研究活動ができなかったため、2022年度に繰越申請を行った。
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[Journal Article] Heterogeneous IgE reactivities to Staphylococcus pseudintermedius strains in dogs with atopic dermatitis, and the identification of DM13-domain-containing protein as a bacterial IgE-reactive molecule2022
Author(s)
Takemura-Uchiyama I, Tsurui H, Shimakura H, Nasukawa T, Imanishi I, Uchiyama J, Fukuyama T, Sakamoto S, Morisawa K, Fujimura M, Murakami H, Kanamaru S, Kurokawa K, Kawamoto K, Iyori K, Sakaguchi M.
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Journal Title
FEMS Microbiol Lett
Volume: 369
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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