2018 Fiscal Year Research-status Report
機能性食品素材であるアセチルグルコサミンの抗炎症作用に関する分子メカニズム
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18K05479
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
染谷 明正 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90167479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 功 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60164399)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アセチルグルコサミン / 抗炎症作用 / 滑膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルコサミンやアセチルグルコサミンは、関節症状を緩和するサプリメントとして使用されている。これまでの研究で、グルコサミンによる関節症状の緩和には抗炎症作用が関与していることが明らかとなり、そのメカニズムの解析も進んでいる。一方、アセチルグルコサミンにも抗炎症効果があり、それが関節症状の改善に関与していると考えられている。しかし、そのメカニズムはグルコサミンと異なると推測されているものの、アセチルグルコサミンによる炎症抑制作用のメカニズムの解析はほとんど行われていない。本研究課題では、アセチルグルコサミンが関節症状を緩和効果するためのメカニズムを調べるため、抗炎症作用に着目し、その分子メカニズムについて研究を進めている。 ヒト滑膜細胞株MH7Aを用い、アセチルグルコサミンとグルコサミンの炎症関連分子の産生に及ぼす影響を比較した。その結果、グルコサミンは短期間(24時間)の処理で、IL-β刺激でおこる炎症性サイトカイン(IL-6およびIL-8)の産生を抑制した。一方、アセチルグルコサミンは、短期間では炎症性サイトカイン産生に影響を及ぼさなかったが、長期間(3週間)処理することで、IL-6およびIL-8の産生を抑制した。一方、アセチルグルコサミンとグルコサミンは、ともに抗炎症性サイトカイン(TGF-β)の産生には影響しなかった。 このようにグルコサミンと比較し、アセチルグルコサミンは、長期間作用させることで、炎症性サイトカイン産生を抑制し、抗炎症作用を発揮する可能性があることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では、①アセチルグルコサミンの炎症関連分子の産生に及ぼす影響と、②アセチルグルコサミンで発現や翻訳後修飾が影響されるターゲット分子の同定、を行う予定であった。しかし、アセチルグルコサミンが炎症性サイトカイン産生を抑制するには長期間の処理が必要であったため、その条件検討とサイトカイン産生抑制の検証に時間を要し遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アセチルグルコサミンの作用メカニズムを調べるため、ターゲット分子の検索と同定、およびその機能解析を行う。具体的にはMH7A細胞をアセチルグルコサミンとグルコサミンで短期間(24時間)または長期間(3週間)処理し、プロテオーム解析を行う。そしてアセチルグルコサミンとグルコサミンで、発現や翻訳後修飾が変動するタンパク質を同定し、それぞれどのようなシグナル伝達系に変化があるのかを調べる。そして、これらの結果から推測されるアセチルグルグルコサミンに特徴的なターゲットタンパク質について、その活性化や分子間相互作用を調べる。
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Causes of Carryover |
理由:アセチルグルコサミンが炎症抑制作用を発揮するための実験条件を確立するに時間を要した。そのため、アセチルグルコサミンのターゲットタンパク質の同定や機能解析に遅れが生じ、これら実験に必要な、抗体、siRNA、遺伝子導入試薬などの購入経費などを次年度に持ち越すこととなった。 使用計画:抗体や、遺伝子ノックダウンやタンパク質発現に必要なsiRNA、ベクター、遺伝子導入試薬などの購入に使用する予定である。
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