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2019 Fiscal Year Research-status Report

機能性食品素材であるアセチルグルコサミンの抗炎症作用に関する分子メカニズム

Research Project

Project/Area Number 18K05479
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

染谷 明正  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90167479)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長岡 功  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60164399)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsアセチルグルコサミン / グルコサミン / 炎症性サイトカイン / 滑膜細胞 / 抗炎症
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度はヒト滑膜細胞株MH7Aを用いた実験から、グルコサミン(GlcN)は炎症性サイトカイン産生を短期間(16時間)の処理で抑制するが、アセチルグルコサミン(NAG)が抑制効果を発揮するには長期間(21日間)の処理が必要であることが分かった。令和元年度は、このNAGとGlcNにおける炎症性サイトカイン産生抑制効果の違いについて以下の結果を得た。
MH7A細胞をGlcNまたはNAGで短期間または長期間処理し、それぞれの細胞におけるタンパク質発現量をiTRAQ-質量分析法で比較した。その結果、NAGの短期間処理では影響されないがGlcNでは発現が上昇し、かつNAGやGlcNを長期間処理することで発現が上昇するタンパク質が同定された。このタンパク質の発現変化は、NAGやGlcNが炎症性サイトカイン産生に及ぼす影響のパターンと一致することから、このタンパク質の発現量の違いがNAGとGlcNによるサイトカイン産生抑制効果の違いの原因である可能性が考えられる。現在、再現性を確認するとともに、このタンパク質の機能がNAGとGlcNでどのように影響されるのかについての検討を開始している。またNAGやGlcNが、タンパク質の翻訳後修飾であるO-N-アセチルグルグルコサミン(O-GlcNAc)修飾を上昇させることはわかっていたが、GlcNが炎症性サイトカイン産生において中心的な役割を果たすNF-κBシグナリングの分子(IκB, IKKなど)の活性化を、O-GlcNAc修飾を介して抑制することがわかった。このことからNAGとGlcNで効果が異なる原因として、NF-κBシグナリング分子に対するO-GlcNAc修飾の違いも関与している可能性も推測された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

アセチルグルコサミンが炎症性サイトカイン産生を抑制するには長期間の処理が必要なため実験に時間がかかっている。また、iTRAQ法による網羅的解析や、O-GlcNAc修飾を検出するための条件決定にも時間を要した。そのため実験の進捗に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

今後はNAGとGlcNのタンパク質発現に及ぼす影響について再現性を確認する。またNF-κBシグナリングに対するNAGとGlcNの影響や効果の違いを調べるため、O-GlcNAc修飾されるタンパク質を同定し、そのターゲットタンパク質のO-GlcNAc修飾状態とサイトカイン産生を比較しながら検討する。さらに、同定されたO-GlcNAc修飾タンパク質の変異体を発現させた細胞において、NAGとGlcNによるサイトカイン産生抑制効果がどのように影響されるのかを調べる。このようにしてNAGとGlcNの炎症性サイトカイン産生抑制における作用メカニズムの違いをさまざまなアプローチで調べる。
また、ラットを用いたin vivo実験について、GlcNおよびNAGの投与実験を開始する予定である。

Causes of Carryover

理由:アセチルグルコサミンが炎症性サイトカイン産生を抑制するには長期間の処理が必要であること、またO-GlcNAc修飾タンパク質の同定には予想以上のサンプル量が必要でその調整に時間がかかり遅れを生じた。そのため、NAGでO-GlcNAc修飾されるタンパク質の同定や、その解析に必要な抗体、遺伝子導入実験に必要な試薬などの購入経費を次年度に持ち越すこととなった。
使用計画:上記の理由により、質量分析試薬と分析料金、抗体やタンパク質発現ベクター、siRNA、遺伝子導入試薬などの購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 滑膜細胞におけるグルコサミンの転写因子NF-κBの制御機構2019

    • Author(s)
      染谷明正, 坂本廣司, 長岡 功
    • Organizer
      第15回ファンクショナルフード学会学術集会
  • [Presentation] グルコサミンはO-N-アセチルグルコサミン修飾を介してIκBα分解を抑制しNF-κB作用を阻害する2019

    • Author(s)
      染谷明正, 坂本廣司, 長岡 功
    • Organizer
      第92回日本生化学会大会
  • [Presentation] グルコサミンによるNF-κB抑制メカニズムの解析2019

    • Author(s)
      染谷明正, 坂本廣司, 長岡 功
    • Organizer
      第26回日本未病システム学会学術総会
  • [Presentation] グルコサミンによるIKKβの活性抑制を介したNF-κBの制御2019

    • Author(s)
      染谷明正, 坂本廣司, 長岡 功
    • Organizer
      第17回日本機能性食品医用学会総会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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