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2020 Fiscal Year Research-status Report

機能性食品素材であるアセチルグルコサミンの抗炎症作用に関する分子メカニズム

Research Project

Project/Area Number 18K05479
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

染谷 明正  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90167479)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長岡 功  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60164399)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsアセチルグルコサミン / 炎症性シグナル伝達 / グルコサミン / NFκB / 滑膜細胞
Outline of Annual Research Achievements

アセチルグルコサミン(NAG)の炎症抑制作用の分子メカニズムについて、ヒト滑膜細胞株MH7Aを用い、グルコサミン(GlcN)と比較しながら研究を進めている。これまでにNAGが炎症を抑制するにはGlcNよりも長時間処理が必要であること、またNAGとGlcNではそれぞれ特異的なタンパク質の発現変化があることを示唆する結果が得られている。令和2年度は、NAGおよびGlcNの炎症惹起に関わるシグナル伝達分子(NF-κB, ERK, p38MAPK)の発現やリン酸化(活性化)に対する影響を中心に研究を進めた。
NAGやGlcNを短期処理(16時間)すると、GlcNはIL-1β刺激で起こるNF-κB p65のリン酸化を抑制したが、NAGは抑制しなかった。一方、NAGやGlcNを長期間(20-23日間)処理するとNAGはp65のリン酸化を抑制し、その効果はGlcNよりも強い傾向が認められた。この結果は炎症性サイトカイン産生の抑制作用と一致していた。一方、ERK, p38MAPKのリン酸化はIL-1β刺激ではほとんど上昇せず、GlcNやNAGによる明らかな影響も見られなかった。従ってNAGを長期処理することで起こる炎症性サイトカインの産生抑制はNF-κBシグナリングの抑制が関与していることが推測された。そこで、NF-κBシグナル伝達に対する影響を調べるため、まず短期処理で抑制作用を発揮するGlcNについて、その上流分子(IκB, IKK)に及ぼす影響を検討した。その結果GlcNはIκB-αやIKKβの活性化を抑制することが分かった。そして阻害剤の効果から、この抑制にはO-N-アセチルグルコサミン修飾(O-GlcNAc修飾)が関わっていることが推測された。
また同時に、NAGとGlcN処理で影響を受けるタンパク質(発現量やリン酸化)の網羅的検索を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

NAGが炎症抑制効果を示すには長期間(約3週間)の処理が必要のため実験に時間がかかっている。そのため研究に遅れが生じている。またタンパク質の発現やリン酸化の網羅的解析を行っているが、十分な感度が得られず条件検討を行いながら研究を進めているので遅れが生じている。そのためin vivo実験を行うためのターゲット分子を決定できないため動物実験をまだ始めるに至っていない。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度の研究結果から、NAGやGlcNの炎症性シグナル伝達経路に及ぼす影響、特にGlcNについてはNF-κBシグナル伝達に対する影響についてわかりつつある。今後はNAGを長期処理したMH7A細胞を用いて、NF-κBシグナル伝達経路のどの段階に働いているかを検討するとともに、NAGの効果における糖化修飾(O-GlcNAc修飾)の関わりも併せて検討したい.
加えてNAGとGlcNによるタンパク質の発現およびリン酸化への影響の網羅的解析を続けるとともに、O-GlcNAc修飾されるタンパクに関しても比較検討したい。そして動物を用いた実験で、細胞を用いた実験結果をin vivoで検証する予定である。

Causes of Carryover

理由:NAGが効果を発揮するには予測以上に長い処理期間を必要とするため時間を要している。そのため各実験に時間がかかっているため遅れが生じた。そのためNAGのターゲット分子の同定ならびに機能解析に必要な抗体、阻害剤、発現プラスミド、遺伝子導入試薬、そしてin vivo実験で使用する動物購入経費が次年度に持ち越されることとなった。
使用計画:抗体、阻害剤、siRNA, 発現プラスミド、遺伝子導入試薬、動物等の購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] グルコサミンによるNF-κBシグナリングの抑制メカニズム2020

    • Author(s)
      染谷明正, 坂本廣司, 長岡 功
    • Organizer
      第20回日本抗加齢医学会総会
  • [Presentation] グルコサミンによるO-N-アセチルグルコサミン修飾を介したNF-κB阻害タンパク質IκBαの制御機構2020

    • Author(s)
      染谷明正, 坂本廣司, 長岡 功
    • Organizer
      第34回キチン・キトサン学会大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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