2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel safety evaluation system using enteroids
Project/Area Number |
18K05480
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
服部 一夫 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (10385495)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸管オルガノイド / デオキシニバレノール / ニバレノール / 幹細胞 / 管腔側 / 基底膜側 / in vivo / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、カビ毒デオキシニバレノール(DON)を経口投与したマウスから調製した腸管オルガノイドにおける変化を調べ、H30, R1年度に行ったin vitroのオルガノイド実験系の結果と比較検討した。 C57BL/6マウスに、溶媒であるリン酸緩衝生理食塩水 (PBS)(コントロール (Con) 群)、あるいは50 mg/kg body weightの DON(DON群)を経口投与した。24時間後、当該マウス由来の空腸オルガノイドを作製し、4日間の培養後にオルガノイド形成効率の変化ならびに増殖応答への影響を調べた。その結果、オルガノイド形成効率(4日目のオルガノイドの数/0日目のクリプト数) は、Con群よりもDON群において有意に低下していた。また、4日目の増殖応答をEdU assayにより調べた結果、Con群よりもDON群において有意に低下していた。 この結果を、前年度までに報告したin vitro系の結果(マウス由来空腸オルガノイドにDONを管腔側あるいは基底膜側から暴露した)と比較した。その結果、管腔側からの暴露と異なり、基底膜側からの暴露は幹細胞数の減少や増殖応答の低下が認められており、今回の結果と一致していた。DONは胃や十二指腸で多く吸収されるという報告(Danicke et al. Arch Anim Nutr 58, 169-80 (2004))があることを踏まえると、今回、経口投与したDONは、管腔側からの暴露よりも、吸収後に血液を介して基底膜側から暴露した可能性が高く、経口投与した際に生じた現象が腸管オルガノイドを用いたin vitro系でも反映されている可能性が示唆された。
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