2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of effects on intestinal environments by polymeric polyphenol metabolites by the gut microbiota
Project/Area Number |
18K05484
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
庄司 俊彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, ユニット長 (90582510)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腸管バリア機能 / Caco-2細胞 / タイトジャンクション / 高分子ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
20週間高脂肪高ショ糖食を摂取させた肥満マウスに高分子ポリフェノールを摂取させたところ、Firmicutes門の腸内細菌が減少し、腸内細菌叢が改善するとともに、血中の炎症物質リポポリサッカライドが減少し、腸管バリア機能の改善が確認された。そこで、本研究では摂取した高分子ポリフェノールやその代謝物による腸管バリア機能への影響を評価するため、代表的なタイトジャンクション(Tj)関連因子(Occludin、ZO-1)のmRNA発現量の変化を評価した。すなわち、ヒト上皮細胞株Caco-2細胞を2週間10% FCS含有ダルベッコ変法イーグル培地で培養(37℃、5%CO2)後、6時間高分子ポリフェノールで処理し、細胞を回収し。また、高分子ポリフェノールは順相クロマトグラフィーによってリンゴポリフェノールからカテキンの重合度数毎に単量体から7量体に分離し、試験に供した。 その結果、単量体(カテキン類)から3量体では、Tj関連因子の発現量には変化が見られなかったが、興味深いことに4量体から7量体では、いずれのTj関連因子の発現量は増加し、特に、7量体で処理した場合、Occludinの発現量が約1.4に増加していた。また、重合度に依存的に増加する傾向が見られた。さらに、以前我々がHPLC-Qtof/MSで分析した結果を報告している高分子ポリフェノールの代謝物37種類について、同様に腸管バリア機能に与える影響を評価した。その結果、Occludinでは、Isoferulic acidなどの5種類の代謝物で増加した。ZO-1では、Dihydroxyphenylacetic Acidなどの3種類の代謝物で増加が確認された。今後、これらの代謝物の生成に与える腸内細菌の影響を検討する必要がある。
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