2018 Fiscal Year Research-status Report
農産物を活用した腸内環境調節を介する新規機能性食品素材の開発とメカニズム解明
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18K05494
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
芦田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビフィズス菌 / プロバイオティクス / オートファジー / 抗炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a)ビフィズス菌B. longum subsp. longum JCM 1217 のゲノム中に見出されたGH43遺伝子クラスターBLLJ_1850ーBLLJ_1853について、それぞれの遺伝子をクローニングし、大腸菌で組換え酵素を発現させ、基質特異性を明らかにした。BLLJ_1850はアラビノキシラン側鎖のα1,2-またはα1,3-結合のアラビノフラノース(Araf)に作用したが、二重置換の構造に対しては作用しなかった。一方、BLLJ_1851は二重置換の基質に作用し、1残基のAraを遊離した。BLLJ_1852はアラビナン側鎖のα1,2-まはたα1,3-結合のArafに、BLLJ_1853はアラビナン主鎖のα1,5-結合のArafに作用し、両者は協調してアラビナンを分解した。これらの酵素群は、それぞれ異なるα-Araf残基を認識して、協調的にアラビノース含有糖鎖に作用して分解することを明らかにした。 (b)マクロファージ細胞株にリポ多糖(LPS)を処理して炎症状態を惹起させたところ、LPS除去後の数時間にオートファジーの活性化ピークが観察された。このときのオートファジーは、AKT/mTOR依存的であり、飢餓応答と同様であった。次に、炎症時のマクロファージを飢餓処理したところ、炎症性サイトカインの産生が抑えられた。また、免疫沈降法により、選択的オートファジーに関わるアダプタータンパク質p62と、炎症シグナル伝達において重要なTRAF6が相互作用することを明らかにした。TRAF6とp62は常時結合していたが、炎症反応の終息時にTRAF6-p62複合体量が減少した。ポリフェノールの1種であるレスベラトロールもオートファジーを活性化し、炎症性サイトカイン遺伝子の発現を抑制した。以上の結果は、オートファジーを活性化することによる新規の抗炎終息機構の発見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(a)に関しては、計画通り進行している。遺伝子クラスターを構成する遺伝子のうち、BLLJ_1852とBLLJ_1853については論文として投稿し、掲載された。残りの2つについては、現在論文化を進めている。 (b)に関しては、やや実験データに不十分な点があり、論文化には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
(b)に関しては、オートファジー遺伝子ノックダウンにより、飢餓やオートファジー活性化剤の効果がキャンセルされることを示すデータを取得する計画である。 また、高脂肪食を与え弱い炎症反応を惹起させたマウスへの各種食品素材の投与実験を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
年度末に使用した旅費が確定するのが遅れたため、9348円の繰越しが生じた。次年度に細胞培養のための培地を購入する計画である。
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Research Products
(14 results)