2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development and mechanism elucidation of novel functional food materials mediated by intestinal environment regulation using agricultural products
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18K05494
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
芦田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビフィズス菌 / ムチン / 糖質加水分解酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖質加水分解酵素ファミリー129 (GH129) は、乳幼児腸管に見られるビフィズス菌の代表である Bifodobacterium bifidum から代表者が発見したα-N-acetylgalactosaminidase (NagBb)に基づいて新設されたファミリーである。本酵素はムチン型糖鎖の基部に存在する GalNAcα1-Ser/Thr 構造によく作用することから、ビフィズス菌がムチンを利用するのに重要であると考えられた。本年度は、成人の腸管にも多い B. longum subsp. longum に存在するNagBbホモログBLLJ_0788を解析した。 大腸菌を用いてBLLJ_0788の組換え酵素を発現させた。BLLJ_0788はNagBbとは大きく異なる基質特異性を示した。すなわち、NagBbはGalNAca1-pNPによく作用し、これに対する活性を100%とすると、ムチン糖鎖のコア1基質 Galβ1-3GalNAcα1-pNP は3.8%、コア3基質 GlcNAcβ1-3GalNAcα1-pNP は1.3%とほとんど作用しない。一方、BLLJ_0788は GalNAca1-pNP に対する活性を100%とすると、コア1基質は95%、コア3基質は55%と広い基質特異性を示した。 NagBbのアミノ酸配列との相違を調べたところ、活性中心に配向している23残基からなるLoop-1の部分の相同性が特に低く、この違いにより基質特異性が変化していると考えられた。 コア3構造は、小腸や大腸に多く発現しているムチンMuc2に多く付加している糖鎖のコア構造である。これまでコア3構造によく作用する酵素はビフィズス菌から見出されておらず、長年の謎であった。BLLJ_0788は腸のムチン糖鎖の利用に関わり、ヒトミルクオリゴ糖の供給のない成人の腸管への適応に関与しているものと考察された。
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Research Products
(9 results)