2020 Fiscal Year Research-status Report
三陸沿岸の幼児の栄養素と微量元素摂取量に及ぼす津波被災の長期的影響に関する研究
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18K05496
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Research Institution | 八戸学院大学 |
Principal Investigator |
千葉 啓子 八戸学院大学, 健康医療学部, 教授 (90197137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 孝男 東北文教大学, 人間科学部, 教授 (20004608) [Withdrawn]
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
中塚 晴夫 金沢学院短期大学, 食物栄養学科, 教授 (70164225)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保育所給食 / 微量元素摂取量 / ミネラル摂取量 / 津波被災地 / 長期的影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においても、渡邉が先行実施した山形県内の調査数(村山、庄内、置賜、最上の4地域から数か所ずつ採取し、計19箇所)に近似し、比較検討の精度を上げるため、引き続きサンプリング数の増加を目標に、岩手県内の沿岸地域の保育所、幼稚園に調査協力を依頼を行っている。しかしながらコロナ禍の折、感染予防の面からこれまでのように書面による依頼似続けて、実際に保育所を訪問して理解を求め、協力を得る事が大変難しくなっており、調査対象の拡大には至っていない。 山形県内の保育所から収集した給食試料については、分析用のほか、今後の研究継続に支障がないよう、粉体・液体など数種の保存方法について検討している。 給食試料の献立表から得られた栄養素等摂取量、食品群別摂取量については、共同研究者の中塚を中心に、データベースの作成と欠損データの見直し等を行い、データベースの完成を 目指している。また、幼児の一日の食事摂取量に関する既存の文献と今回の計算値との関連を解析中であるが、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンなどの微量元素類に関しては年少者の摂取量に関する文献が少ないことから、基礎的知見が得られば大変有意義である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き、本研究の共同研究者が担当していた調査試料の実験操作記録の存在が確認できずにいる。試料量が限られており、今後の研究継続のために試料の一部を保存することを考えると、共同研究者が実施した分をそのまま生かして使用したく、保存されているはずのデータの探索を継続している。さらに共同研究者の猿渡はコロナ感染拡大地域の宮城県の大学に所属していること、同じく共同研究者である中塚は金沢市在住であることで、2020年度は3名の共同作業が全面的に中断しており、研究遂行を遅らせる原因となっている。加えて猿渡の所属大学では建物回収による分析機器の仮移転がコロナかと重なり、実験がほとんどできない状況にあることも進捗を遅らせる要因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者である千葉が渡邊の実験手法をトレーニングし、試料の前処理部分の実験をほぼ代行できる見通しがついた。岩手の試料分析に着手することにより、遅れている陰膳試料の多元素分析に入れるよう準備をしている。また、猿渡の実験室も改修が進み、大型分析機器も仮移転から元の場所へ再設置される予定で、実験の再開が期待できることから、分析も進むものと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、調査試料の前処理部分の実験が中断したため、灰化実験に使用する高純度試薬類の購入が次年度に持ち越されたこと、また、共同研究のための出張旅費や成果報告の出張旅費の使用も次年度に持ち越されたことによる。 2020年度に中断された試料の前処理のための灰化実験の実施、分析後のデータ処理や栄養素等の計算値との比較解析および共同研究者との検討会議、関係学会での成果発表や専門誌への投稿などを計画しており、それらの用途に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)