2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on a taste evaluation using an artificial receptor molecule
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18K05512
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
林 宣之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (40294441)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超分子 / 分子認識 / 味センサ / 渋味 |
Outline of Annual Research Achievements |
渋味物質として、農産物・食品中に含まれる代表的なポリフェノール4種類(1-4)を用意した。これらの渋味強度はヒトの官能によって強と弱の2つのグループに分類されように構成した(強=1&2、弱=3&4)。一般的に、渋味物質は疎水性が高いため、これらを認識するレセプター分子の構造中には疎水性の結合部位を導入した。さらに親水基も導入することによって十分な水溶性を確保した。このような設計指針のもと、3種類のレセプター分子の合成を試みたが、1種類はその化学的性質のために反応系から単離することができなかった。その結果、2種類のレセプター分子を得た(5&6)。これらのレセプター分子と上記のポリフェノール化合物との複合体形成を蛍光発光スペクトル滴定実験に基づいて評価した。レセプター分子(5)とポリフェノール(1-4)の水溶液はレセプター:プリフェノール=1:1と1:2の化学量論比で構成される複合体が共存する化学平衡系となった。ポリフェノール(1、2)に対する結合定数は1:1および1:2複合体ともに4000 L/mol以上の値を示し、全結合定数は1×E7 L/molという大きな値となった。一方、ポリフェノール(3、4)に対する全結合定数は1×E5 L/mol程度であった。ヒトの官能によるこれらのポリフェノール類の相対的強度の関係は既に知られており、上記のレセプター分子(5)のポリフェノール(1-4)に対する結合強度はヒトが感じる味の強さを反映していると見なすことができる。レセプター分子(6)のポリフェノール(1&2)に対する結合定数はレセプター分子(5)のそれらに比べてかなり小さく(1×E2 L/mol程度)、ポリフェノール(3&4)に対してはほとんど結合性を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書記載の実施計画(1)レセプター分子の設計と化学合成(2018年前半-2020年前半)、(2)レセプター分子の渋味物質に対する分子認識能力の評価(2018年後半-2020年前半)を予定通り実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
実施計画通りに推進する。
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Causes of Carryover |
凍結乾燥機の部品の一部を農研機構内の他所から管理換えして利用したため、購入予定額より低価格で納品することができた。差額は次年度予算と合わせ、実施計画にある分子認識メカニズムの解明に必要な化学計算プログラムのライセンス料として使用する。
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