2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of DNA methylation control by omega 3 PUFA from fetal to neonatal stage
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18K05527
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 真由美 名古屋大学, 環境医学研究所, 客員研究者 (90596173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / DOHaD / エピジェネティクス / EPA / DHA / 脂肪酸 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ω3PUFA の抗炎症作用や脂質代謝改善作用は成人期において検討されてきたが、本研究課題においてはDOHaD仮説の観点より胎生期~乳児期のω3PUFAによるDNAメチル化制御について検討を行っている。これまでに研究代表者は肝臓における脂肪酸β酸化に関わる遺伝子は、胎仔期から乳仔期においてPPARα依存的にDNA脱メチル化を介して発現調節されていることを示し、乳仔期においては母乳由来の脂肪酸が栄養シグナルとして働きエピゲノム修飾に関与することを明らかにした。このような背景に加え、ω3PUFAがPPARのリガンドとして作用することやPPAR は全身に広く発現することが報告されていることから、母親由来のω3PUFAがPPARを介した作用で仔において組織のDNAメチル化状態を変え、遺伝子発現を制御し将来の疾患への罹患性に影響を及ぼすことを想定している。 以上を明らかにするために、今年度は妊娠期~授乳期の母獣マウスをω3PUFAであるEPAまたはDHAを5%(wt/wt)添加した飼料で飼育し、各食餌群における離乳前の仔マウスの肝臓での遺伝子発現を解析した。その結果、母獣マウスがEPAおよびDHA添加食を摂取することにより、仔マウスの肝臓では脂肪酸代謝関連遺伝子の発現が増加することが明らかとなった。現在、この遺伝子発現の変化がエピゲノム修飾のひとつであるDNAのメチル化により制御されているかを明らかにするために、MIAMI法によりDNAメチル化状態を網羅的に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の所属機関移動により、研究課題のセットアップまでに想定以上の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はない。母獣の乳汁を介して遺伝子発現およびDNAメチル化が変化しているかを確認するために乳汁成分の分析を行う。 さらにDNAメチル化状態の網羅的な解析により得られた脱DNAメチル化遺伝子について、パスウェイ解析、機能分類解析、プロモーター解析などバイオインフォマティクス手法を用いて検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属機関の移動により、研究課題のセットアップが遅れたため、一部計画していた実験ができなかった。したがって計画通りに研究課題を遂行するために次年度に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)