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2019 Fiscal Year Research-status Report

An evaluation of the protective effects of elastin peptide obtained from fish bulbus arteriosus in renal arteries

Research Project

Project/Area Number 18K05541
Research InstitutionKindai University

Principal Investigator

竹森 久美子  近畿大学, 農学部, 准教授 (00288888)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsエラスチンペプチド / 好中球 / iNOS / Mac-1 / DPP-4
Outline of Annual Research Achievements

エラスチンは、生体の弾性保持に重要な役割を果たしているが、加齢や様々な疾患の進行にともない変性・減少し、重大な機能障害を生じる。昨年度の研究で、我々は魚類由来エラスチンぺプチドは、白血球と内皮細胞の接着抑制を介して高血圧性腎血管障害を抑制することを明らかにした。そこで今年度は好中球のラジカル産生系ならびに白血球表面接着因子の発現変動を追跡した。正常血圧のWKYに比べてヒトの重症高血圧モデルであるSHRSPではiNOS, Mac-1の発現亢進が見られ、好中球の活性化が認められた。更に好中球活性化因子同定のため、ANCA, TNF, IL-6, NATsの血中濃度についてWKYとSHRSPの加齢に伴う変化を比較したが、これらに差は見られなかった。そこで新たな好中球活性化因子の探索を行ったところ、予備試験段階ではあるが、エラスチンペプチドがDPP-4阻害活性を有することをin vitroにおいて確認した。DPP-4はインクレチンの分解の他、炎症部位に好発現することが知られている。また、SHRSPは加齢に伴い糖代謝異常を発症するが、このラットにエラスチンペプチド添加糖負荷試験を実施したところ、インスリン分泌促進を伴う血糖値上昇抑制が確認された。以上のことから、SHRSPにおける好中球活性化因子としてDPP-4の関与が示唆された。
一方で、エラスチンペプチドの新規の供給源として近大マグロ動脈球からのエラスチン精製方法の検討を行った。その結果、動脈球の粉砕の向上は見られたが、アルカリ処理に条件設定が不十分で、精製度・収率の向上には至らなかった。また、熱コアセルベートによるαおよびβエラスチンの分離を試みたが、アミノ酸分析の結果、βエラスチン画分にαエラスチンの混在が認められ、熱コアセルベートを用いてαエラスチンの精製は可能であるが、βエラスチンの精製には限界があることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

好中球活性化の指標として、ラジカル産生源としてiNOS、接着分子Mac-1の発現を正常血圧のWKYとヒトの重症高血圧モデルであるSHRSPで比較検討を試みたところ、SHRSPで上記の分子の発現亢進が生じていることを明らかにすることが出来た。しかし、これらの発現解析の条件設定にかなりの時間を要したため、エラスチンペプチド持続投与による好中球活性化抑制作用についての実験実施が令和2年度になる。
また、今年度は近大マグロ動脈球からのエラスチン精製について検討した。マルチビーズショッカーを用いて、動脈球の粉砕効率の向上が見られた。その後のアルカリ処理・シュウ酸分解によって、その収率が非常に低下し、その後の熱コアセルベートによるαおよびβエラスチンの分離サンプルを得るのに数か月を要したことから、エラスチンの精製精度の確認作業に一部遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、高血圧発症後のSHRSPにエラスチンペプチド持続投与を行い、好中球活性化抑制の効果を検証するとともに、好中球活性化因子としてのDPP-4の役割を検証する。そのためにDPP-4阻害薬投与とエラスチンペプチド摂取の対比実験を行う。また、引き続き近大マグロによるエラスチンペプチド精製効率化の条件設定を行う。その実施方法として、アルカリ処理ならびにシュウ酸分解時間の再検討を行い、過度のエラスチン消失が生じない条件を設定する。αエラスチンは純度の高いものとして使用することができるが、その収率がβエラスチンに比べて非常に少ないことから、得られるエラスチンペプチドの機能性食品由来素材としての使用方法を、その性質に応じて使い分けるため、αおよびβ rich画分の化学的解析、形態学的観察を介して基礎的データの収集を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 魚類由来エラスチンペプチドの組織傷害抑制作用: 新規機能性ペプチドとしての有用性2019

    • Author(s)
      竹森久美子
    • Organizer
      第51回日本結合組織学会学術大会
    • Invited

URL: 

Published: 2021-01-27  

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