2019 Fiscal Year Research-status Report
アブシジン酸誘導気孔閉口に関わる新奇カルシウムイオンチャネルの活性制御機構の解明
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18K05557
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宗正 晋太郎 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (20641442)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / カルシウム / イオンチャネル / 環境ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
孔辺細胞細胞質のカルシウムイオンは、気孔閉口運動の調節を行う孔辺細胞アブシジン酸(ABA)シグナル伝達において重要なセカンドメッセンジャーとして機能することが古くから知られている。本研究では、この孔辺細胞シグナル伝達においてカルシウムイオンの輸送に関与すると考えられる新規カルシウムイオンチャネル候補遺伝子GCC1の機能解析を行っている。前年度作成した多重遺伝子破壊変異体を用いた解析と、そしてBiFCによるタンパク質相互作用解析により、GCC1の活性制御にかかわる因子の探索を行った。同定した候補遺伝子の破壊変異体を単離して気孔表現型を解析した結果、ABAや細胞外カルシウムに応答した気孔閉口が抑制された変異体や、乾燥ストレス耐性の低下した変異体を見つけることができた。それら変異体の原因遺伝子は、申請者らのグループが過去に報告したCPKとは異なるタイプのカルシウムイオンセンサーや受容体様タンパク質などをコードしていた。現在、その機能について詳細な解析を進めている。また多重変異体を用いたパッチクランプ実験により、GCC1とABAシグナル伝達のコア因子であるPYR, PP2C, OST1との関連が明らかとなった。 孔辺細胞原形質膜の外向き整流性カリウムイオンチャネル(K+outチャネル)は、気孔開閉運動の調節にかかわる重要な因子である。しかし、これまで広く用いられてきた手法ではその活性をパッチクランプ法で再現よく測定することができなかった。そのため孔辺細胞プロトプラストの単離法を改良し、K+outチャネル活性を再現よく評価できる実験系を立ち上げ、論文として報告した。これにより今後の研究がさらに加速することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パッチクランプ法により孔辺細胞のKoutチャネル活性を評価できる実験系を立ち上げることができた。気孔表現型の解析により、カルシウムイオンに依存した孔辺細胞ABAシグナル伝達にかかわる新規因子の候補をいくつか同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回同定した新規因子に着目して、アフリカツメガエル卵母細胞やHEK293細胞でシグナル伝達経路の再構成実験を行い、GCC1の活性化機構の解明を行う。また、GCC1の下流で働くと考えらえる今回同定したカルシウムイオンセンサーとCPKの生理機能の違いを明らかにすることで、孔辺細胞のCa2+デコーディング機構の解明を目指す。
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