2019 Fiscal Year Research-status Report
アブラナ科植物の相補的に機能する病害抵抗性遺伝子の単離と育種基盤の整備
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18K05568
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
畠山 勝徳 岩手大学, 農学部, 准教授 (60355625)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Brassica rapa / 根こぶ病抵抗性 / 病害抵抗性 / Crr1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Crr1bは単独では根こぶ病抵抗性を示さず、Crr2存在下でのみ抵抗性を誘導する。各遺伝子座の推定座乗領域には2つの候補ORFが見出されており、Crr1b上には病害抵抗性タンパク質(Rタンパク質)をコードする2つのORFが存在する。各ORFを1つだけ有するシロイヌナズナ形質転換体を作出し、根こぶ病抵抗性検定を行ったところ全て罹病性を示した。Crr1bの候補ORF(ORFr1b-2, ORFr1b-4)について、それぞれをホモ接合でもつ系統を交配することで、両方をもつ系統を16系統育成した。このうち8系統についてF2を採種するために栽培したが、ポットに馴化してから約2週間後より本葉の一部から黄化し始め、枯死する系統が確認された。このうち5系統についてPCR解析を行ったところ、黄化症状を示した全ての個体が2つのORFを有していることが確認された。3系統について接種を行った結果、2系統は平均病徴指数3.00で罹病性を示したが、1系統は若干発病程度が低かった。しかし、他2系統よりも激しい黄化症状がひどく現れており、生育不良により根こぶの形成程度が低くなった可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Crr1bの候補ORFを2つもつと過敏感反応が誘導されることが示唆されたが、Crr1bとCrr2の候補ORFをそれぞれ1つずつもつ系統は黄化症状は示さないことがわかっているので、その系統に残りのORFをもつ系統を交雑することで、少なくとも3つのORFをもつ系統を育成して解析することにした。現在その種子を採集しており、今後根こぶ病抵抗性の検定に供試する。
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Strategy for Future Research Activity |
Crr1bとCrr2の候補ORFを3つ以上もつ系統を交雑により育成し、根こぶ病抵抗性検定により抵抗性が付与されるのかどうか解析する。また、病害抵抗性遺伝子をコードしていないCrr2の候補ORFについて、シロイヌナズナのノックアウト系統を用いて、根こぶ病への反応に影響するのか解析する。
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