2021 Fiscal Year Annual Research Report

Identification of the responsible genes that govern Na and Cl accumulation in leaves of rice under salinity stress

Research Project

Project/Area Number	18K05572
Research Institution	Shinshu University
Principal Investigator	堀江智明信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (90591181)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	石川亮神戸大学, 農学研究科, 准教授 (70467687)
Project Period (FY)	2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords	耐塩性 / イネ / 遺伝資源
Outline of Annual Research Achievements	栽培イネの日本晴（Oryza sativa）と野生イネ（O. rufipogon W630）の戻し交雑自殖系統群（BRILs）を利用して、塩ストレス下の若い葉身（第6, 7葉）中のNaの蓄積に深く関与する量的形質遺伝子座（QTL）の探索を実施した。BRILs 全159系統の若い葉身中のNa蓄積データを、ICP解析により取得した。QTL解析を行った結果、1番および5番染色体に、それぞれ1つづつ統計的に有意なQTLが存在することが示された。それらを仮にNa-QTL1, Na-QTL5と名付けた。Na-QTL1は、イネの若い葉身のNa蓄積を有意に低下させ、逆にNa-QTL5は有意に高蓄積を促す効果があるものと予想された。責任遺伝子同定を目指して、まずNa-QTL1を保持するBRIL 4系統と日本晴の戻し交雑を行い、後代集団を作製した。また、ICP解析の際、Naに加えて、耐塩性に正の影響を及ぼすK, Mg, Caの蓄積も同時に測定し、それぞれの結果をもとにQTL解析を実施した。その結果、K, Mg, Caに関して、それぞれ2つ、2つ、1つのQTLが存在することが予想された。各QTLの責任遺伝子を単離するためにも、今後も順次、戻し交雑後代集団を作製し、研究を進めていく予定である。栽培イネコシヒカリと耐塩性イネノナボクラの染色体断片置換系統群（O. sativa, CSSLs）を利用して、塩ストレス下のClの吸収や分配に深く関与する遺伝子座の絞り込みを実施するプロジェクトに関しては、想定外の難問に直面したため、思うような進捗は得られず大幅に遅れを生じた。しかし、最終的に諸問題を解決し、根にフォーカスしたCl蓄積の評価を行うことで、実施効率をあげられることが判明した。CSSL 全44系統中の8割程度の系統の根のCl蓄積に関するデータを取得した。