2019 Fiscal Year Research-status Report
作物の花形質改良による送粉昆虫の行動制御と種子生産性の向上
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18K05612
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉岡 洋輔 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50462528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 種子生産性 / アブラナ / 送粉昆虫 / 選好性 / 遺伝子 / 育種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では3年間の研究実施期間を通して、アブラナ属作物の花形質に対する送粉昆虫の先天的・後天的選好性を解明し、昆虫の選好性に深く関連する花形質、特に紫外線反射率の遺伝性を明らかにすることを目標にしている。令和元年度は、花弁の紫外線反射率のQTL解析のための材料の準備と、ゲノムワイド関連性解析に用いる遺伝資源のジェノタイピングデータの取得を進めた。具体的な研究内容とその成果は次の通りである。2019年の冬から春にかけて、セイヨウナタネ遺伝資源174点を栽培し、自殖後代の種子を得るとともに、DNA抽出用の葉を採取した。前年度までに選定していた遺伝解析の親候補系統については、当日開花した花を紫外線撮影用レンズと紫外透過可視吸収フィルターを装着したデジタルカメラで撮影した。得られた画像に基づいて各系統の花弁の紫外線反射程度を3分類(反射型、吸収型とそれらの中間型)で評価し、反射型と吸収型の系統をそれぞれ2点選定した。選定された反射型の系統と吸収型の系統を交配しF1種子を採種し、7月から11月にかけてそれらのF1個体を栽培し、自殖後代(F2世代)の種子を得た。さらに、遺伝解析の親候補系統を含む遺伝資源174点の葉から抽出されたDNAを用いてRAD-Seq解析を行い、ジェノタイピングデータ(約5,000個のSNP)を取得した。このデータを用いて遺伝解析の親候補系統間の多型性を確認し、遺伝解析の集団を決定した。2020年1月には遺伝解析集団(両親系統、F1及びF2世代)の栽培を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、本年度までに遺伝解析(ゲノムワイド関連性解析とQTL解析)のための材料の準備が完了した。前年度は、遺伝解析材料となる遺伝資源の固定が不十分と判断されたため、予定していたF1世代の採種を延期した。本年度は春作に加えて秋作も行い、2世代進めることができたため、本年度中に遺伝解析(QTL解析)集団の作出が完了した。また、予定通り、ゲノムワイド関連性解析に用いる遺伝資源のジェノタイピングデータの取得が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は花弁の紫外線反射率のQTL解析に用いるF2世代の個体を栽培し、表現型データを取得するとともに、RAD-Seq解析を用いてジェノタイピングデータを取得する。得られた表現型・遺伝子型データを用いてQTL解析を行い、花弁の紫外線反射率に関わる遺伝子座を同定する。また、遺伝資源についても表現型データを取得し、本年度に取得したジェノタイピングデータを併せてゲノムワイド関連解析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度は交付申請時の計画どおり、遺伝解析に関わる消耗品や植物の栽培管理に関わる物品等の購入、本研究の実験補助を行う技術補佐員等の雇用、学会での成果発表に関連する出張及び投稿論文の英文校閲に研究費を使用する予定である。次年度使用額416,224円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて上述の研究計画遂行のために使用する。
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