2020 Fiscal Year Annual Research Report
Reevaluation of Japanese traditional cultivars of azalea in the world- genetic resources and breeding history
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18K05617
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小林 伸雄 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (00362426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中務 明 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (40304258)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 伝統園芸植物 / 園芸品種 / 遺伝資源 / 品種発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、日本で発達した「リュウキュウツツジ」,「オオキリシマ(‘大紫’)」,「ヒラドツツジ」品種群,および,海外で発達した「アザレア」(Pot Azalea)等の大・中輪系品種の多くがキシツツジ型葉緑体DNAを有していることが明らかになった。本研究では、産地別のキシツツジ(R. ripense Makino)を中心に,常緑性ツツジ野生種と園芸品種群について SSRマーカー解析を行い,野生種の類縁関係および園芸品種における野生種の遺伝的関与について検討した.データ解析の結果,キシツツジの地域的な遺伝的多様性に基づく園芸品種発達を推察することができ,「リュウキュウツツジ」,「オオキリシマ」等の大輪系品種の成立には九州の山国川と中国地方(旭川・高梁川を除く)の河川のキシツツジが遺伝的に関与していることが示唆された. 一方、大輪系を代表する「ヒラドツツジ」品種群は、ケラマツツジ(R. scabrum G.Don)を中心にキシツツジやリュウキュウツツジ[R.× mucronatum (Blume) G.Don)] が関与して発達したと考えられている。本研究では、「ヒラドツツジ」品種について、花色色素構成とアントシアニン合成遺伝子から品種発達の過程を推察した。ケラマツツジおよび赤花の園芸品種はシアニジン型色素のみを有しているのに対し、紫花の園芸品種では、デルフィニジン型およびフラボノール色素を有していた。また、紫花および白花品種のみで、フラボノイド3’, 5’ 水酸化酵素(F3’5’H)遺伝子が発現していた。さらにF3’5’H遺伝子の構造変異解析から、「ヒラドツツジ」品種群は、ケラマツツジの選抜個体に加えて、キシツツジやリュウキュウツツジ‘白琉球’の交雑により花色が多様化した品種群であることが示唆された。
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Research Products
(10 results)