2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of genetic factors related to differences between cultivars in the degree of peel puffing occurrence of satsuma mandarin
Project/Area Number |
18K05622
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
羽生 剛 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (60335304)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 浮き皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は浮皮が発生しやすい‘南柑20号’と発生しにくい‘石地’の果皮と果肉のDNA配列多型および遺伝子発現について調査を行った.まず,‘南柑20号’と‘石地’の果皮と果肉からDNAを抽出して,次世代シークエンサーによるシークエンスを行った.DNAはごく微量であったが抽出でき,‘南柑20号’の果皮からは約2,437万個,果肉からは約2,327万個,‘石地’の果皮からは約3,872万個,果肉からは約3,853個のリードが得られ,それらをウンシュウミカンのゲノム配列にマッピングした結果,‘南柑20号’の果皮からは約90万個,果肉からは約66万個,‘石地’の果皮からは約229万個,果肉からは約172万個の配列多型(SNP,InDelなど)が得られた.これらを比較した結果,‘南柑20号’の果皮と果肉で異なる多型が442,499個,‘石地’では848,872個得られ,両品種とも果肉と果皮においてDNAの配列に違いが生じていると考えられ,栄養繁殖の過程で異なる変異が生じているキメラである可能性が示唆された.また,‘南柑20号’と‘石地’の果皮同士で異なる多型が915,175個,果肉では719,794個得られ,これらの中で果皮と果肉で異なるものは‘南柑20号’の果皮では90,134個,果肉では59,627個,‘石地’の果皮では368,280個,果肉では215,566個であった.これらの多型と遺伝子発現の関係を調査するため,11月の‘南柑20号’と‘石地’の果皮と果肉からRNAを抽出してRNA-seq解析を行った.その結果,‘南柑20号’の果皮と果肉で発現が異なる遺伝子は4,825個,‘石地’では4,148個で,品種間で発現が異なる遺伝子は果皮で2,443個,果肉で1,525個であった.これらのDNAの配列多型と遺伝子発現の差異の関係については今後解析予定である.
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