2018 Fiscal Year Annual Research Report
カンキツFTの機能発現過程における生殖-栄養成長制御機構の解明
Project/Area Number |
18K05636
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
遠藤 朋子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 上級研究員 (50355400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 武彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, ユニット長 (10355399)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カンキツ / 花成 / 永年性 |
Outline of Annual Research Achievements |
カンキツ等の果樹では、幼若期間中は花成誘導が起こらず、栄養成長のみを繰り返す。一方、成木では周年的に花成が誘導され、かつ栄養成長も維持される。本課題では、カンキツ類において、CiFTの発現から茎頂分裂組織の運命決定に至る過程における制御要因を解明することで、生殖-栄養成長を両立させるしくみを明らかにするため、タンパク質動態や、CiFT機能発現の制御に関連が予想される遺伝子解析等を行い、永年成長を継続させるメカニズムを解明する。 本年度は、CiFTにアミノ酸(HAおよびMyc)タグ配列を付加したタンパク質を過剰発現するカラタチ形質転換体に対し、抗タグ抗体を用いてウェスタンブロット法によるタンパク質レベルの変動解析を行い、遺伝子組換え体の葉でタグ標識したCiFTタンパク質が集積することを確認した。また、この遺伝子組換え体の種子から得られた実生を台木に、非組み換えハムリンオレンジを穂木として接ぎ木して植物体を育成した。生育した穂木部のハムリンオレンジの葉より抽出したタンパク質をウェスタンブロット法により解析したところ、台木の遺伝子組換え体由来のタグ標識したCiFTタンパク質が検出され、CiFTタンパク質が台木から穂木へ移行することが明らかとなった。また、遺伝子導入によりCiFTを過剰発現させたカンキツ形質転換体において、CiFTの過剰発現による花成促進に拮抗して、栄養成長を維持する制御機構の解明に向けて、経時的にシュートをサンプリングし、miRNA解のための、RNA抽出を行った。
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