2018 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアゲノム形質転換植物体の作出に向けた革新的遺伝子導入技術の開発
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18K05638
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
木村 光宏 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 客員准教授 (00372342)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 形質転換 / ミトコンドリア / ペプチド / 化合物ライブラリー / タバコ |
Outline of Annual Research Achievements |
植物ミトコンドリアゲノム形質転換は細胞質雄性不稔の付加や有用物質の大量生産など様々な活用法が期待される。しかし、パーティクルボンバード法やアグロバクテリウム法など従来の植物形質転換法では成功例がない。我々は、ミトコンドリア移行ペプチドおよびDNA結合ペプチドを組み合わせた融合ペプチドを用いて、ミトコンドリアへの一過的遺伝子導入に成功している(Chuah et al., Sci. Rep., 2015)。しかし、ミトコンドリアゲノム形質転換植物体は未だ作出できておらず、その原因の一つはミトコンドリアへの低い遺伝子導入効率にあると考えている。そこで、ペプチド法による植物ミトコンドリアへの遺伝子導入効率を向上させる化合物を化合物ライブラリーから同定することを本年度の研究目標とした。 研究材料にはタバコ(Nicotiana tabacum L.)、ペプチドにはDNA結合ペプチドおよび細胞膜透過型ペプチドを持つ(KH)9-Bp100(Lakshmanan et al., Biomacromolecules., 2013)、DNAにはCaMV 35Sプロモーター配列の下流にNanoLucマーカー遺伝子(Promega Co. USA)を融合したプラスミドDNAを作成して用いた。また、化合物ライブラリーには東京大学創薬機構が保有する約9600種類の化合物からなるコアライブラリー(https://www.ddi.u-tokyo.ac.jp/chemical_library/#2)を用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、ミトコンドリアゲノムに座乗する遺伝子のプロモーター配列の下流にNanoLucマーカー遺伝子を融合したプラスミドDNAを利用したミトコンドリア一過的遺伝子導入系を用いて、ミトコンドリアゲノムへの遺伝子導入効率を向上させる化合物の同定を目指した。しかし、この系では導入効率が著しく低いため、化合物ライブラリーの選抜には適していないことが示された。そのため、ペプチドによる核への一過的遺伝子導入系を用いて、遺伝子導入効率を向上させる化合物の選抜を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
核への一過的遺伝子導入系を用いた化合物ライブラリーの選抜を現在進めており、既に候補化合物が同定されている。同定された化合物についてミトコンドリアへの遺伝子導入効率への効果が認められた場合、この化合物を用いたタバコミトコンドリアゲノム形質転換体の作出を試みる。
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Causes of Carryover |
本年度、消耗品のいくつかについて研究室で保有していたものを使用したため、次年度使用額が生じた。次年度以降、使用した消耗品を追加購入する必要があるため、そちらに充てる予定である。
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Research Products
(4 results)