2020 Fiscal Year Research-status Report
リン脂質代謝による植物免疫制御を介した広耐病性の分子機構の解明と病害防除への展開
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18K05651
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
木場 章範 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (50343314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩平 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (50211800)
曵地 康史 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (70291507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リン脂質 / 植物免疫 / 耐病性 |
Outline of Annual Research Achievements |
病害抵抗性の制御に関わる、植物細胞内情報伝達系の解析を進めてきた。特に、生体膜リン脂質代謝系に注目した。リン脂質代謝酵素であるフォスフォリパーゼCは7種のファミリーから形成されており、ファミリーごとに機能が異なると考えられている。そこで、7種のフォスフォリパーゼCの個々の機能の解析を進めることにした。さらに、フォスフォリパーゼCの下流で機能すると考えられている、フォスフォイノシチド依存タンパク質リン酸化酵素(phosphoinositide dependent protein kinase)の役割について解析した。実験手法として、ウイルス誘導ジーンサイレンシング法による遺伝子機能のノックダウン植物を作成し、病害抵抗性における役割を解析した。 フォスフォリパーゼC2は、親和性の青枯病菌に対する基礎的抵抗性の誘導に重要であることを明らかにした。フォスフォリパーゼC2が関連する基礎的抵抗性には、植物ホルモンであるジャスモン酸が重要であることを明らかにした。さらに、病原体関連分子パターンで誘導される、パターン誘導免疫の誘導にも関与していることを示した。 また、フォスフォリパーゼCの下流で機能するフォスフォイノシチド依存タンパク質リン酸化酵素は、活性酸素種が制御する、過敏感反応の誘導に関わることを見出した。 一連の成果は、国際学術雑誌に2報投稿し、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一連の成果は、国際学術雑誌に2報投稿し、掲載されたことから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果について精査し、国際誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
これまでの研究成果を詳細に精査し、国際誌の投稿するため。
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Research Products
(2 results)