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2018 Fiscal Year Research-status Report

植物病害抑制効果を持つ微生物の複合種バイオフィルム形成による発病抑制効果の安定化

Research Project

Project/Area Number 18K05662
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

吉田 重信  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, グループ長 (90354125)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山内 智史  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (50442760)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsバイオフィルム / バイオコントロール
Outline of Annual Research Achievements

生物的防除効果を示す細菌株(BCA)との安定的なバイオフィルム(BF)形成を可能とするトマト常在性の細菌株の選抜を目的に、トマト灰色かび病のBCAとして有望なPseudomonas sp. 62AP4株、Pantoea ananatis 125NP12株に対してBF形成促進効果を持つ細菌株を、トマト生息細菌コレクション(計490株)の中からマイクロプレートウェルを用いたBF定量法により選抜した。すなわち、PPGA培地で前培養した各BCA株と各コレクション細菌株の懸濁液を3倍希釈PPG液体培地を入れたマイクロプレートウェルに等量移植し、24時間共培養後にクリスタルバイオレット染色されたBFを分光光度計で定量し、各BCA株または各コレクション細菌株単独で形成されたBF量との比較を行った。その結果、共培養によるBF形成量が各細菌株それぞれ単独で形成されるBF量の和よりも上回った組み合わせのコレクション細菌株数は、62AP4株で66、125NP12株で79であり、BF形成を増強させる常在細菌が一定数存在することを明らかにした。さらに、これらの菌株のうち、高いBF形成増加を示す細菌株を、62AP4株および125NP12株に対してそれぞれ9菌株ずつ選抜した。これらの菌株の分類学的位置を調べた結果、62AP4株に対してはBacillus属が最も多く、その他株は複数属で構成されていた。一方、125NP12株に対してはPseudomonas属が最も多く、その他株は複数属で構成されていた。また、これらの選抜株で両BCAに共通でBF増強効果を示した菌株は1株のみであり、BCAの種類によって、BF形成に相性のよい細菌種のグループは異なっていることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成30年度の主目的である常在細菌株の選抜は、計画どおり実施され、また、選抜株の形成条件検討も現在行っている状況である。GFP株の作出については、まだ完了していないものの、作出実験に必要な試薬の準備等を完了させており、今後直ちに作出実験に着手する予定としている。
以上のことから、現在までの研究は概ね計画どおり進捗しており、今後も円滑に研究を実施できる見込みである。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究は当初の計画どおり実施する予定である。すなわち、2019年度はこれまでに明らかにした選抜株とBCAとの複合種BF中でのBCAの局在や定着量等を明らかにすることを目指す。

Causes of Carryover

当初購入予定であったPCR装置が既存の装置で代用できたこと、また、実験時間の調整等により当初雇用予定であった実験補助者を雇用せずに実験を遂行できた等により、予算の次年度使用が生じた。
2019年度は、複合種BF中におけるBCAの局在、定着様式、菌体量解明のために必要な試薬・理化学消耗品等を購入する予定である。また、定着様式や菌体量の解明のためには、多くの実験操作が必要となることが予想されるため、実験補助者を雇用して対応したいと考えている。このため、研究費の一部は雇用に係る人件費(賃金)として使用する予定である。さらに、関連学会等に出席するための旅費としての使用も計画している。

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Published: 2021-12-27  

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