2018 Fiscal Year Research-status Report
Survey of Ostrinia odorant receptor genes associated with preference for egg-laying plants.
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18K05681
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
安河内 祐二 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (50355723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 健 岩手大学, 農学部, 教授 (30241368)
石川 幸男 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (60125987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 嗅覚受容体 / アワノメイガ / 食性 / アンプリコンシーケンシング / FISH |
Outline of Annual Research Achievements |
補助事業期間前に行ったアンプリコンシーケンシング解析結果を詳細に分析した。アワノメイガの53個のOR遺伝子(Orco及びフェロモン受容体サブファミリーを除く)から500-1000bp程度のアンプリコンを各1個設計し、アワノメイガ属96個体を用いたアンプリコンシーケンシング解析を行った。 まず、ヨーロッパアワノメイガとアズキノメイガ間のBF1集団24個体を用いた連鎖解析により、OR遺伝子が常染色体30本中19本に座乗することが示唆された。そこで、当該OR遺伝子を含むクローンをヨーロッパアワノメイガBACライブラリーもしくはアワノメイガフォスミドライブラリーから単離して、BACまたはフォスミドDNAを単離した。あわせて既発表のヨーロッパアワノメイガ染色体地図(Yasukochi et al. Heredity, 116, 75-83) 作製時に使用したクローンからも、BAC-DNAを単離した。これをプローブとしたFISH解析を行って、予想した通りの染色体上に座乗しているかを確認するとともに、染色体上の詳細な位置の確認を行っている。 残り72個体はトウモロコシまたはショウガから採集したアワノメイガ及びアワノメイガではないアワノメイガ属7種を対象にアンプリコン配列の系統分類を行った。その結果、11種の遺伝子について種特異的なクラスタリングの傾向が見出された。 しかし、53個中20個の遺伝子については、一部又は全ての個体でデータが得られなかった。これは一度に17対程度のプライマーでPCR反応を行ったことによる増幅効率の差によるものと考え、まず単独のプライマー対によるPCRでバンドが増幅されるかを確認し、増幅されない場合には新規プライマーを設計して、データ欠損を補うPCR反応を行い、得られたPCR産物を31年度の解析に備えて、個体ごとにプーリングした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンプリコンシーケンシングで想定通りの結果が得られており、データが得られていない遺伝子についても、単独でPCR反応を行うか、プライマーを再設計することでデータを取得できる見通しが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
FISH解析によるOR遺伝子の染色体上の詳細な座位の特定を進めるとともに、カイコ等の他のチョウ目昆虫と比較を行う。また、30年度に種特異的な分化の傾向が見られたOR遺伝子について、遺伝子の別の部分をカバーするようにプライマーを設計してPCR産物を取得し、30年度にプーリングしたPCR産物とともに、アンプリコンシーケンシング解析を行い、種特異的または食草特異的な違いがないかを検索する。
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Causes of Carryover |
年度末のキャンペーン等で、想定より安い単価で試薬・消耗品が購入できたため。当該額については、次年度に消耗品の購入に充てる計画である。
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