2022 Fiscal Year Annual Research Report
The development of immunocontraceptive vaccines for eradication of invasive alien mammals modeled on the raccoon and mongoose
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18K05687
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
淺野 玄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外来種 / 避妊 / ワクチン / アライグマ / マングース |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、アライグマの個体数抑制手法として卵透明帯(ZP)を抗原とする避妊ワクチン開発を試みてきた。アライグマZPのうち、我々が解読したZP3塩基配列をもとに、抗原候補となる3種類の合成ペプチド(ペプチド③、④、⑤)を作成し、各合成ペプチドを雌のアライグマ1頭ずつにアジュバントとともに計4回免疫(皮下投与)し、血清中の抗体価(ELISA)と接種部位の外傷の程度を評価した。また、各血清中抗体とアライグマ卵透明帯との結合性(免疫組織化学)を評価した。 身体検査の結果、接種部位に軽度の腫瘤や自潰等の反応は認められたものの、一過性であったことから、ペプチド投与の副次的反応は小さかったと考えられた。ELISAによる抗体価の評価では、ペプチド③投与後血清で抗体価の上昇が確認されたのに対し、ペプチド④または⑤投与後血清では明らかな抗体価の上昇は確認されなかった。免疫組織化学的解析では、ペプチド③投与後血清で抗体の卵透明帯への結合が確認されたが、ペプチド④または⑤投与後血清では卵透明帯への反応は確認されなかった。以上の結果より、ペプチド③はアライグマに対する免疫原性を有し、かつ産生抗体は卵透明帯に対する結合性を持つことが期待された。しかし、ペプチド④または⑤では、動物種間の抗原性の差等により抗体産生は認められず、避妊ワクチン抗原としての有用性について再検討する必要があると考えられた。本研究では、飼養条件等の制約等から各ペプチドにつき1個体ずつしか免疫実験に供することができなかった。このため、今後は複数個体を用いてワクチン抗原候補の免疫原性や産生抗体の卵透明帯への結合性の評価等を行っていく必要がある。
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Research Products
(5 results)