2019 Fiscal Year Annual Research Report
複合生物培養法による難培養植物内生放線菌の分離と生育因子の解明
Project/Area Number |
18K05690
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松本 厚子 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (20300759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 琢自 北里大学, 北里生命科学研究所, 特任准教授 (40526216)
稲橋 佑起 北里大学, 感染制御科学府, 助教 (70645522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物内生放線菌 / 共培養 / 未利用放線菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
低温の熱処理(60C, 1h)を加えた植物の根サンプルから、通常法により分離した2属6株の放線菌菌体混合液を分離培地に加え、メンブレンフィルターで仕切り、その上で同植物サンプルからの分離を試みた。 分離株は16S rRNA 遺伝子部分塩基配列(約600bp)から属を推定し、菌体混合液を加えない対照群と比較した。共培養により分離した32株は10属 (Streptomyces, Microbacterium, Hamadaea, Polymorphospora, Amycolatopsis, Actinomadura, Actinoplanes, Microbispora, Sphaerisporangium, Cellulosimicrobium)に、対照群からは14株分離し7属 (Streptomyces, Dactylosporangium, Micromonospora, Actinoplanes, Microbispora, Sphaerisporangium, Cellulosimicrobium)に分類された。このうち5属は共培養のみから、2属は対照群のみから分離されており、共培養による影響が観察された。本方法は未利用放線菌の新しい分離法の一つと位置付けられる。今後、共培養に用いる菌株や量などの検討により未利用放線菌の分離拡大が可能であると同時に生育因子の解明が期待される。 一方、同サンプルのメタゲノム解析からは Actinobacteria 門では Nocardioidaceae 科、Streptomyces 属、Micromonosporaceae 科、Actinosynnemataceae 科、Curtobacterium 属 が50% を占めるものの、その多くは分離されていないことが明らかで、分離法の重要性を裏付けた。
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