2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K05705
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
奥 敬一 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (60353629)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 文化的景観 / 視点場 / 本質的価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
各重要文化的景観選定地域について、保存調査報告書、および保存計画書の収集を進めた。また観光資源の視覚化に関する既往研究のレビューを進めるべく資料収集や研究会への参加をおこなった。 現地調査の概要 今年度は、「アイヌの伝統と近代開拓による沙流川流域の文化的景観(北海道平取町)」「利根川・渡良瀬川合流域の水場景観(群馬県板倉町)」「日根荘大木の農村景観(大阪府泉佐野市)」「蘭島及び三田・清水の農山村景観(和歌山県有田川町)」の 計4箇所について新規に現地調査を実施した。現地調査では、事前に保存調査報告書などから得た各重要文化的景観の視点場の情報に基づき、視覚化装置に該 当する箇所を悉皆的に訪れ、本質的価値を視覚化する装置としてどのように機能しているかを把握した。 平取町作成の文化的景観解説シートは現地での解説板と連動し、来訪者には理解しにくい歴史的文化的背景を視覚化する装置として優れた取り組みとなっていた。また、有田川町も主要地点に重要文化的景観としての解説を付しており、価値を伝える仕組みとして機能していた。他の調査地については、特徴的な景観形成に関わる要素をよく保存していたと言えるが、その本質的価値を伝えるための視覚化の仕組みについては不十分な点が多く、工夫の余地があることを確認した。 昨年度までの現地調査および資料調査とあわせ、文化的景観の視覚化装置についての類型を整理できる段階に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度に北海道胆振東部地震により調査ができなかった北海道平取町の文化的景観を早期に調査することができ、前年度の遅れを取り戻すことができたが、その後2019年度末に計画していた現地調査について新型コロナウィルスの影響により支障が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響により現地調査が困難になりつつあるため、必要に応じて自治体担当部署へのアンケート調査等への切り替えを検討する。
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Causes of Carryover |
2019年度末に計画していた現地調査について新型コロナウィルスの影響により支障が出ている。2020年度に現地調査が困難な場合には、自治体担当部署へのアンケート調査等への切り替えを検討する。
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Research Products
(3 results)