2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of environmental constraints and species characteristics of planting species for the reforestation of ex-coal mining sites in Indonesia
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18K05719
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
則定 真利子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00463886)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低pHストレス / 根圏低酸素ストレス / Al過剰ストレス / Melaleuca cajuputi / Eucalyptus camaldulensis / Acacia mangium / 無機態窒素吸収 / 細胞壁特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Acacia mangium、Melaleuca cajuputi、Eucalyptus camaldulensisを対象に、pH3という極めて厳しい低pHストレスが根の無機態窒素の吸収能に与える影響を明らかにするために、植物育成装置における水耕実験系を用いて、窒素安定同位体による標識実験を行った。24時間の低pHストレスがアンモニウムイオンの吸収に与える影響を調べたところ、M. cajuputiとE. camaldulensisでは、吸収能が大きな影響を受けなかったのに対して、A. mangiumでは、吸収能が4割程度に低下することが明らかとなった。根圏低酸素ストレスが窒素吸収能に与える影響を明らかにするために、A. mangiumとM. cajuputiを対象に、培養液に窒素ガスを通気して溶存酸素濃度を通常の1/10以下に下げて根に低酸素ストレスを24時間負荷し、アンモニウムイオンの吸収能を評価した。両種とも、低酸素ストレスによって吸収能は低下しなかった。また低酸素ストレス下での低pHストレスによる吸収能の低下は酸素十分条件でのそれと同程度であった。M. cajuputiについて、硝酸イオンの吸収能に対する低pHストレスと低酸素ストレスの影響を調べたところ、低酸素ストレスによる影響はなかったが、低pHストレスにより吸収能が4割程度高まった。M. cajuputiは、アンモニウムイオンと硝酸イオンが共存する条件で、アンモニウムイオンを主に吸収し、両イオンの吸収能には10倍以上の違いがある。そのため、低pHストレス下で硝酸イオンの吸収能が高まるとはいえ、アンモニウムイオンを主に吸収するという特性に変わりはない。 Al過剰害に対して極めて高い耐性を備えているM. cajuputiの根端の細胞壁の特性を、Al吸着性とペクチンの性状に着目して他の熱帯樹木と比較しながら解析した。
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