2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular genetic characteristics of albino mutation of Maitake mushroom and its application for breeding
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18K05763
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
会見 忠則 鳥取大学, 農学部, 教授 (90264928)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルビノ / 細胞壁 / 免疫電子顕微鏡法 / メラニン |
Outline of Annual Research Achievements |
アジア,北米,ヨーロッパで広く流通している白色腐朽菌である マイタケ Grifola frondosaにおける子実体原基形成の開始には可視光の照射が必要である.暗所で生育している栄養菌糸が光にさらされると,周囲の産卵面の淡褐色が誘導されたと考えられ,続いて原基が形成される.従って,菌糸体の色が原基形成の開始と密接に関連しており,子実体形成の引き金となる可能性がある.そこで,G. frondosaにおける褐色形成の分子機構を解明するために,褐色形成に潜在的に関連するいくつかの遺伝子,すなわちチロシナーゼをコードする遺伝子(tyr1およびtyr2)をゲノム配列データベースから同定した.2つの遺伝子の発現を子実体発達の異なる段階で調べた,その結果,G. frondosa子実体から単離された褐色色素の化学的および物理的性質(紫外線スペクトルを含む)は,真菌メラニンのものとほとんど同じであった,G. frondosaの全ゲノム配列から,この多孔性きのこのメラニン生合成経路に関与する遺伝子が,チロシナーゼ(tyr1およびtyr2)を含めて同定できた.転写解析の結果から,原基におけるtyr2の発現のみ劇的な増加を示した.抗チロシナーゼ抗体を用いた免疫電子顕微鏡観察により,tyr2が原基の細胞壁に局在することを示した.したがって,tyr2はこの多孔性キノコにおけるメラニン生合成と密接に関連しており,メラニンは細胞壁で産生される可能性が示唆された.また,ポリケチドシンターゼ遺伝子1(pks1)の転写分析の結果から,G. frondosaの成熟および収穫後の子実体においてpks1発現は劇的な増加を示した.したがって,pks1は,1,8-ジヒドロキシナフタレン(DHN)経路を介した,子実体の自己消化のための事象であり得ることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
子実体白色化の原因遺伝子と思われるチロシナーゼ2遺伝子を特定すると同時に,チロシナーゼ2タンパク質の細胞壁への局在性を確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
チロシナーゼ2遺伝子の変異が,子実体のアルビノ化と直接関係があるのかどうか,遺伝学的解析により明らかにする.
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Research Products
(1 results)