2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular genetic characteristics of albino mutation of Maitake mushroom and its application for breeding
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18K05763
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
会見 忠則 鳥取大学, 農学部, 教授 (90264928)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイタケ / アルビノ / チロシナーゼ / 新品種 / 育種 / フレームシフト / メラニン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究で,マイタケ Grifola frondosaの原基形成時におけるtyr2の発現のみ劇的な増加及び,抗チロシナーゼ抗体を用いた免疫電子顕微鏡観察により,tyr2が原基の細胞壁に局在することを示した.したがって,tyr2はこの多孔性キノコにおけるメラニン生合成と密接に関連しており,メラニンは細胞壁で産生される可能性が示唆された.以上のことから,本年度は,G. frondosaの着色が,tyr2の発現によるものであるかどうかについて解析した.G. frondosaの2つの和合性の株,アルビノ変異型モノカリオンIM-WM1-25(と野生型モノカリオンIM-BM11-P21から,チロシナーゼ2遺伝子(tyr2)を同定し,変異型tyr2-Δ25及び野生型tyr2+の塩基配列を比較・解析した.IM-WM1-25からのtyr2-Δ25のコード領域に単一の塩基の欠失が確認され,この変異は翻訳のフレームシフトを引き起こし,不活性なチロシナーゼタンパク質2(TYR2-Δ25)を生成すると予測された.そこで,変異型tyr2-Δ25及び野生型tyr2+を,それぞれ別々に検出するPCRプライマーペアを設計した.次にIM-BM11-P21(tyr2+)×IM-WM1-25(tyr2-Δ25)株の担子胞子分離株(F1世代)の遺伝分析を行った.その後,戻し交配(F1世代×IM-WM1-25)を行い,交配した系統の子実体の色を分析した.全ての交配株の子実体は白とベージュであり,対応する遺伝子型は,tyr2-Δ25×tyr2-Δ25が白色,そして, tyr2+×tyr2-Δ25がベージュであった.この結果から,アルビノ変異の原因遺伝子がtyr2の1遺伝子であることを強く示唆しており,この研究は,G. frondosaのアルビノ形質をもった新品種の育種・選抜のための強力なツールを提供するものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルビノ原因遺伝子を同定し,それを,検出する方法を確立し,白色菌株を簡便に検出する技術が利用できるようになったため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で得られた研究成果を基に,IM-WM1-25(tyr2-Δ25)株と有用菌株を掛け合わせ得られた担子胞子分離株の中から,tyr2-Δ25遺伝子を持ち,かつ,原木栽培に適した菌株の選抜を行う.選抜した菌株を掛け合わせて,2核菌株を作出し,その中から,原木栽培に適し,かつ,収量が高い菌株を選抜する.
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Research Products
(3 results)