2020 Fiscal Year Annual Research Report
A study on role of helper bacteria isolated from the fruiting body of ectomycorrhizal mushrooms, and their integrated utilization
Project/Area Number |
18K05764
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
霜村 典宏 鳥取大学, 農学部, 教授 (00250093)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 外生菌根菌 / ショウロ / ヘルパー細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ヘルパー細菌が生産するショウロ菌糸生育促進物質の解明を目指した.まず,ヘルパー細菌が具備する菌糸生育促進効果を効率よく検定する検定培地,培養方法,さらには,細菌培養液検定液の調製方法の改良に着手した.供試細菌として昨年度ショウロ子実体から分離同定したヘルパー細菌系統を用いた.今回の実験には,改変Melin-Norkrans(MMN)液体培地で培養した細菌培養液,高圧蒸気滅菌した細菌培養液,および,細菌培養液をろ過滅菌したろ液を検定液として用いた.検定用の培地としてMMN培地を5倍希釈した1/5MMN培地,1/5MMN培地からグルコースを除いた1/5MMN-G培地,1/5MMN培地から麦芽エキスを除いた1/5MMN-M培地,そして,1/5MMN培地からグルコースと麦芽エキスを除いた1/5MMN-GM培地を用いた.これらの平板寒天培地で予めショウロ菌を培養した後,細菌培養液をショウロ菌糸体コロニーより2.5 cm離して環状に塗布して検定した.その結果,1/5MMN-GM培地を用いて検定すると菌糸生育促進効果が顕著に認められたが,1/5MMN-G培地および1/5MMN-M培地では細菌の増殖が著しく旺盛で,逆に菌糸の生育が抑制される傾向が認められた.一方,高圧蒸気滅菌した細菌培養液およびろ過滅菌したろ液を検定液として用いたところ,本検定液においても菌糸生育促進効果が認められた.その中でも,ろ過滅菌したろ液を1/5MMN-GM培地で検定した時に,最も顕著な促進効果が認められた.以上の結果から,ショウロ菌糸の生育を促進する水溶性の物質がヘルパー細菌培養液中に生産されるが,その物質を追跡するためには,ヘルパー細菌の培養液をろ過滅菌し,そのろ液を1/5MMN-GM培地を用いて検定する方法が有効であると思われた.
|
Research Products
(6 results)