2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of early seedling production technique of Sacchanina: sorus formation through the induction sporophyte maturation
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18K05774
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
四ツ倉 典滋 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60312344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅範 地方独立行政法人青森県産業技術センター, 水産部門, 部長 (90557951)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンブ養殖 / 成熟誘導 / 種苗生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に沖出した葉体について、利尻富士町における栽培個体については6/23に、羅臼における栽培個体については6/29日に、全長、葉長、葉幅、湿重量を測定し、それぞれを現地で慣行栽培されている個体との比較を行った(N=10)。その結果、羅臼のもので葉幅と湿重量について比較対象との間に有意差が見られた(それぞれ、p=0.002とp=0.003)。 一方、配偶体由来の種苗生産時の最適条件を検討するために、配偶体を用いた種苗育成過程において、静置条件か振盪条件か何れの培養が好ましいかを調べた。細断した配偶体をそれぞれの条件で培養し、開始から182日目には静置条件下の配偶体の湿重量は栽培開始時の7.0倍に、振盪条件下の配偶体の湿重量は培養開始時の9.0倍に増加した。なお、それぞれの配偶体湿重量の増加率は、静置条件下では開始から121日目には1.92%で、182日目には0.21%となり、振盪条件下では121日目には1.44%で、182日目には0.34%となった。加えて、種苗糸へ付着させる適切な配偶体の密度を検討するため、密度別に発芽体の全長と葉幅を計測したところ、観察開始から49日目(概ね慣行栽培の室内育成期間に相当)には0.67mg/mに設定したもので何れの値も最大になった。 更に、長期配偶体が与える培養株への影響を評価するため、2005年、2009年、2013年、2018年に得られた遊走子由来の配偶体を用いて上記最適密度で発芽体の形成と生長を比較したところ、2005年と2009年の配偶体では発芽率が低かった。2013年と2018年のものについては発芽率に目立った違いはなく、発芽体の全長は培養開始から64日目では後者の値が大きかったが、それ以降は前者の値が上回った。
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