2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of cell factors that give planktonic marine diatoms buoyancy and evaluation of their effects by environmental stress
Project/Area Number |
18K05787
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島崎 洋平 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40363329)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 浮遊性珪藻 / 沈降速度 / 基礎生産 / 水温上昇 / 汚染物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、海洋の主要な基礎生産者である浮遊性珪藻類の浮上や沈降に影響を及ぼす水温上昇と環境汚染物質の影響について評価する。2020年度は、浮遊性珪藻Thalassiosira pseudonana の増殖と光合成活性に及ぼす汚染物質と水温(20, 27℃)・光強度(100, 1000 umol photons/m2/s)の影響を調べた。汚染物質としてpolycyclic aromatic hydrocarbon(PAH)の一種で、PAHの中でも環境中から比較的高濃度で検出されるpyrene(0, 10, 50, 250 ng/mL)を用いた。その結果、水温20℃・100 umol photons/m2/s区では50 ng/mL以上の区で、対照区に比べて増殖の有意な阻害が観察されたが、20℃・1000 umol photons/m2/s区および27℃・100 umol photons/m2/s区では250 ng/mLのみ阻害され、27℃・1000 umol photons/m2/s区では全pyrene曝露区で影響が消失したため、高水温・高光強度下ではpyreneの影響が弱まることが示唆された。一方、連鎖状の群体を形成する浮遊性珪藻Skeletonema marinoi-dohrnii complexを用いて本種の沈降速度に及ぼす水温(20, 27℃)・光強度(100, 1000 umol photons/m2/s)の影響を調べた。その結果、20℃・100 umol photons/m2/s区と比べて、27℃区の両光強度区では、沈降速度の有意な減少(浮力の増加)が確認された。沈降速度減少の要因については現在検討中であり、これら環境要因と汚染物質との沈降速度に対する複合影響についても評価中である。
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Research Products
(2 results)