2018 Fiscal Year Research-status Report
サケ科魚類の河川流程分布を統合的に説明する環境指標の解明
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18K05807
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
森田 健太郎 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 北海道区水産研究所, 主任研究員 (30373468)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サケ科魚類 / 流程分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
サケ科魚類の河川流程分布に関する基礎データを得るため、全国の6河川(苫小牧市幌内川、北斗市戸切地川、甲府市富士川、米原市姉川、湧別町瀬戸瀬川、羅臼町居麻布川)においてフィールド調査を実施した。各河川において、リーチ毎にサケ科魚類の魚種別の出現頻度または個体数密度を電気ショッカーを用いて調べた。調査を実施した河川から、オショロコマ、イワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマス、ブラウントラウトが捕獲され、それぞれ流程に沿った特徴的な分布を示した。また、構成種によって分布範囲が異なる種が存在する傾向も確認され、興味深い知見を得ることができた。 例えば、瀬戸瀬川では、本流および7支流(鉱山川、矢の根沢川、高橋沢川、中沢川、他無名支流)の上流から下流に設定した42地点において、エレクトロフィッシャーを用いてサケ科魚類の分布調査を行った。調査地点の標高は169~470mの範囲で、ヤマメ292尾、イワナ157尾、オショロコマ304尾が捕獲された。一般にイワナはヤマメよりも上流域に分布する傾向にあり、オショロコマが分布しない支流では本調査でも同様の傾向が認められたが、オショロコマが上流域に分布する支流では、ヤマメの方がイワナよりも上流まで分布するという興味深い知見が得られた。 居麻布川では、河口から1.6km上流までの区間を通して電気ショッカーを用いてサケ科魚類を捕獲し流程分布を調査した。サクラマス親魚43尾、ヤマメ831尾(成熟オス222尾, パー609尾)、オショロコマ116尾、カラフトマス2尾が捕獲され、魚体測定も行った。優占種であるヤマメは全流程に満遍なく分布したが、オショロコマは上流域に偏って分布した。 戸切地川では、流程8㎞区間に設定した29調査区において潜水目視調査を行い、サケ科魚類を種別・体サイズ区分別にカウントした。ニジマス、ブラウントラウト、イワナが計321個体計数された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査を継続して実施するとともに、適宜学会発表を行い、ディスカッションとデータ解析を進める。
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Causes of Carryover |
当初計画していたフィールド調査に関わる旅費に加えて、本年度にスペインで開催される河川性サケ科魚類の国際シンポジウムの参加費用として使用額が生じた。また、本州の調査を実施するにあたり分担者を追加したため、配分額が生じた。
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