2021 Fiscal Year Annual Research Report
Crustacean insulin-like peptides and their relationship to reproduction and nutrition
Project/Area Number |
18K05819
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
筒井 直昭 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00643785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クルマエビ / 甲殻類 / インスリン様ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題で昨年度までに得られたインスリン様ペプチド、ILP1、ILP2、ゴナデュリン(GON)の機能を推測するため、ポストラーバ変態後7、18、24、30、46、54、60、67、および74日齢の個体を用いて遺伝子発現量の解析を行った。この際、同じくインスリン様ペプチドで甲殻類の雄性ホルモンと考えられているIAGの遺伝子も解析対象とした。各日齢で4~8個体の結果を平均すると、ILP1の発現量は期間を通して低値を保ち、顕著な変動は示さなかった。ILP2、GON、IAGの発現量は、24から30日齢にかけて増加がみられ、その後は減少した。ただし、ILP2、GON、IAGの発現量は個体差が非常に大きかった。また、成体でみられるような雌雄差、つまり雌でのILP1、雄でのILP2、GON、IAGに相当する発現差の出現と維持は観察されなかった。個体の大きさの関係から、生殖腺に相当する部分だけをRNAの抽出材料にできなかった点に留意する必要はあるが、ILP1、ILP2、GONの遺伝子発現の性的二型性は、生殖腺の性分化が起こる前、あるいは分化の初期に生じるわけではなく、分化がある程度進んで以降に生じると推察された。 また、ILP1とILP2が卵巣のステロイド合成に与える影響を、組織培養系を用いて検討した。卵巣のトランスクリプトーム解析により得られた、ステロイド合成に関与する遺伝子のホモログ数種類を解析対象としたが、いずれも化学合成ペプチドの添加による発現量の変化はみられなかった。インスリン受容体様遺伝子の発現量についても結果は同様であった。
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Research Products
(3 results)