2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of high pressure resistance mechanism of the deepest sea amphipods
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18K05835
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小林 英城 東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 客員研究員 (40399564)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カイコウオオソコエビ / 炭酸カルシウム / 水酸化アルミニウム / 外骨格 / 炭酸塩補償深度 / グルコノラクトン / 新型コロナウイルス / 緊急事態宣言 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に、甲殻類の外骨格にはその強度を維持するために、結晶性炭酸カルシウムが利用されている。しかし、炭酸カルシウムは水深5000-6000mより深い領域では、高水圧により物理化学的に溶解する。そこで、水深8000m以深に棲息する超深海性カイコウオオソコエビの外骨格について化学成分分析を行った。その結果、結晶性炭酸カルシウムの存在が明らかとなった。また、外骨格にアルミニウムが存在していることも明らかとなった。海水は弱アルカリ性のため、アルミニウムはゲル状の水酸化アルミニウムとして存在する。外骨格から水酸化アルミニウムを除去したところ、高水圧下でのカルシウム溶出が観察された。外骨格を水酸化アルミニウムゲルが覆うことで、炭酸カルシウムの溶出を防いでいることがわかった。また、カイコウオオソコエビはアルミニウムを海底堆積物の微小鉱物アルミノシリケイトから抽出することが、明らかとなった。グルコースから生産されるグルコノラクトンが抽出剤として利用されていることがわかった。グルコースは、カイコウオオソコエビのセルラーゼにより、沈降植物片から生産される。 最終年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究を行うことが困難であった。新型コロナウイルス感染症に対する対応のため、東洋大学では、令和2年4月から令和3年1月前半まで、研究施設がある川越校舎に入構することができなかった。また、1月中旬以降も入構日の2週間前に入構許可願いの提出が必要であり、実質令和3年2月から入構が可能であった。そのため、相模湾海岸ヨコエビとの比較研究のみ可能だった。バイオマッシャーで相模湾海岸のヨコエビを潰し、外骨格と内部のアルミニウム定量実験を行った。その結果、アルミニウムは検出限界以下だった。しかし、本年度計画していた研究はほとんど進まなかった。また、ほとんどの学会が中止され、学会発表もできなかった。
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