2023 Fiscal Year Annual Research Report
Supply of infrastructural services of agricultural production by using incentive mechanism
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18K05839
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 巧 北海道大学, 農学研究院, 教授 (40178413)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インドネシア / 灌漑施設 / インフラ |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシア中部ジャワ州の灌漑システムにおいて、SwakelolaとLelangの特徴を様々な角度から分析した。SwakelolaとLelangの本質的な特徴は、WUAが農地インフラを建設することである。Lelangの各WUAの平均インフラ資金は7,130万ルピア、Swakelolaは4,800万ルピア、1ヘクタール当たりの年平均インフラ資金は、それぞれ39万ルピアと57万ルピアである。Swakelolaのインフラ資金はLelangより大きい。しかし、Lelangのインフラ資金は統治期間の初めに利用可能であり、早期にインフラ建設することができる。また、インフラによっては、Lelangでしか得られない多額の資金を必要とするものもある。Swakelolaでは、インフラ資金は各統治期間の終了時、または計画されたインフラに十分なインフラ資金が蓄積された後に利用可能となる。インフラ資金の支払いは、Lelangでは全額前払いであり、Swakelolaでは分割払いである。全額前払いは、農民コミュニティは資金をすぐに使えるというメリットがあるが、分割払いに比べて金額が小さいというトレードオフにある。SwakelolaのWUAでは、ほとんどの場合、理事が維持管理活動に携わっており、Lelangではほぼ半数のWUAが維持管理作業に雇用労働者を利用しており、LelangWUAの平均作業日数は年間24日で、Swakelolaの年間154日よりもはるかに短い。Lelang-WUAはSwakelola-WUAよりも多くの労働力を使用しており、平均労働力はそれぞれ年間14人と11人である。SwakelolaとLelangのWUAは、維持管理作業に加え、害虫の防除作業も行っている。灌漑とは直接関係ないが、この作業はWUAが農民に提供するサービスであり、WUAのパフォーマンスを評価する上で極めて重要である。
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