2021 Fiscal Year Research-status Report
Institutional Design for Land Improvement Investment in Integrated Farmland of Large-scale Farmers and Volumetric Irrigation Water Pricing System
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18K05844
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 麻里 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60529709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荘林 幹太郎 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (10460122)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 農業水利 / 従量課金制 / 農場内投資 / 制度設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1-1)大区画化に対する経営体の意思決定に与える影響因子分析については、コロナウイルス感染症収束の見通しが不透明であったため、対面でのインタビューを必要とする調査は実施できなかった。一方、大区画化の歴史的経緯を追跡できるGISデータについては整理収集作業を行った。また、当初調査対象としていた固有の地域ではなく、日本全国を対象として、区画整理が農業構造に与影響について検討する研究を追加・実施した。 本年度は、課題1-2)圃場内固定資本投資に関する海外調査と制度設計の可能性と課題の解明について、当初対象としていた米国・イタリアのうち、イタリアの農業政策に関する検討を開始し、ネットワーキングと近年の農業政策に関する基礎的な情報を得た。 課題2-1)で想定していた従量課金制に関するワークショップについては、新型コロナウイルス感染症対策上、対面による実施が困難であると判断した。また、現地の通信状況および耕作者へのオンライン会議システムの利用状況から鑑みて、オンラインワークショップの実施も困難であることから、2021年度にはオンラインでのワークショップの実施も困難であると判断した。 また、課題2-2)分水工単位の従量料金制導入の可否についてのシミュレーション分析(①土地改良区全体の維持管理費の負担と課金収入を合致させるための料金水準と②土地改良区全体の維持管理費に加えて土地改良施設の更新費用を減価償却費として毎期の費用に含める料金水準の2つのパターン)については、資料収集・整理を実施した。耕作者負担型の従量課金制を仮定した料金制度に関するシミュレーション結果を今年度に推定できるよう検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の見通しが立ちにくい状況のため、国内における現地訪問を要する実態調査および海外調査などが不可能であった。一方、国内で収集した大規模経営体の進展と圃場整備の関連性に関するGISデータの整理・分析は進展しており、2022年度に発表を予定している。 海外での実態調査は難しいことを判断し、衛星データと統計データ、文献調査の組み合わせで補完できるかの検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
国内で収集した大規模経営体の進展と圃場整備の関連性に関するGISデータの整理・分析をまとめ、学会で発表する予定である。その際、可能であれば、現地調査を加えてより内容を充実させる。 また、これまで実施した従量課金制の基での耕作者負担型の農業用水料金のシミュレーション分析を進め、学会発表を目標に成果の講評を検討する。 海外を対象とした研究に関しては、衛星データと統計データ、文献調査の状況等をさらに精査し、論文のほか、海外の学会等で公表する可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により、海外調査および国内の対面調査の見通しや実施に際しての現地の理解を得ることが難しい状況にあったため、国内でのワークショップや農家調査、海外での政策担当者へのインタビュー調査が実施困難であり、次年度使用額が生じた。 今年度は、GISデータベースを活用した研究成果および過去の国内調査で得られたデータを用いたシミュレーション分析を行うことにより、現地での対面調査の見通しが立ちにくい場合でも、研究成果を上げ、公表することとする。
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