2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on the risk-based food safety system
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18K05854
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
工藤 春代 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (60452281)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 営業許可 / リスク管理 / 食品安全 / HACCP / EU |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、本研究課題の3つの課題:①営業許可の必要な34業種のリスクの高さを再検討し、その他に必要な業種を明らかにする、②伝統食品を中心に食品や事業者のリスクに応じたHACCPシステムの有効な導入・実施方法を明らかにする、③他分野のリスク管理の枠組みとの比較を通じた食品リスク管理の特徴・参考点を引き出す、のうち主に①と③に取り組んだ。 そのうち課題①に関しては、日本を対象として、営業許可を担う現場の自治体に関するヒアリング調査を実施した(2018年11月~2019年3月に5自治体に対して実施)。調査により、現状の営業許可・登録制度を含む食品衛生行政の課題を明らかにした。また2018年8月から厚生労働省の「食品営業規制に関する検討会」で営業許可業種の再検討が行われることになったことに伴い、申請時と状況が変化したため、検討会で提示された方向性に関する意見や、変更に伴う現場の課題も尋ねた。さらに営業許可・登録制度に関して、資料に基づき日本・EUとの比較を行った結果を『農業と経済』に公表している(10の雑誌論文の欄に記載)。 課題③に関しては、文献や資料をもとに、食品分野と他分野(医薬品、消費生活用品分野)の規制について比較、分析を予備的に行った。規制の分類に関しては、Spencer and Hensonによる先行研究に基づき、「情報」「規格・基準」「事前認可」と分類する枠組みを用いた。 なお、①と③の研究成果の一部について、2019年6月の学会で報告予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、平成30年度に課題①および課題②の日本における現状の整理を行うこととしていた。課題①については、「研究実績の概要」で述べた状況変化に伴い、資料に基づいて状況の整理を行うとともに、自治体へのヒアリング調査を実施することができた。ただし、②の課題についての調査を進めることができなかった。一方で、平成30年度については予定をしていなかった課題③の研究を進めることができたため、(2)おおむね順調に進展している、との評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の前半は、課題①、②ともに国内でのヒアリング調査および文献整理を進める。2019年6月には、課題①と③に関するこれまでの成果報告を行う予定としている。令和元年度後半には、申請書に記載した予定通り、課題①、②に関する国外調査(ドイツ)を実施する計画である。最終年度(令和2年度)は、申請書記載の予定通り、アンケート調査および補足のヒアリング調査を実施し、3つの課題に関する取りまとめを行う。
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Causes of Carryover |
課題①に関して、自治体へのヒアリング調査を主に関西圏で依頼したため、当初想定していたより旅費の使用額が少なくなった。また課題②に関する専門家からの情報提供および調査を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。 令和元年度には、課題①に関する関西圏以外の自治体への調査、および課題②に関する専門家からの情報提供および調査に対して支出を予定している。また申請書に記載した計画通り、海外(ドイツ)調査で旅費を使用する予定としている。
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Research Products
(1 results)