2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Regional Characteristics of Agricultural Structure under Changing Labor Market Environment
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18K05860
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山崎 亮一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10305906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 祥穂 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40345062)
曲木 若葉 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (80794221) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 農業構造 / 労働市場 / 雇用劣化 / 土地利用型農業法人 / 地域農業システム / 東北型 / 近畿型 / 農村調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、過去に行なった2つの農村調査の取りまとめを行った。2つの農村調査とは、①2018年に実施した、青森県五所川原市における調査、及び②2019年に実施した、長野県宮田村における調査である。 五所川原市の調査結果は、現在、論文化している最中である。また、こらから学会誌に投稿するための準備を進めているところである。宮田村の調査結果については、現在、書籍として刊行するための準備を進めているところだが、その一環として、2021年3月27日に開催された日本農業経済学会大会(茨城大学、オンライン開催)の特別セッションにて、「宮田村の50年----農業構造と地域農業システムの展開を地域労働市場から紐解く」と題する3時間企画を設けて、研究成果を公表した。 当該企画の報告者・演題とコメンテーターは次のようになっていた。なお、学会要旨集に載っていたプログラムでは、次の第1報告を記載していなかった。第1報告:山崎亮一(東京農工大学)「代表者解題」。第2報告:澁谷仁詩(東京農工大学博士課程)「農業構造変動に対する地域労働市場および地域農業システムの影響―長野県宮田村の2009年~2019年を対象として―」。第3報告:氷見理 (北海道立総合研究機構)「雇用劣化進行下における農地維持担い手の展開論理」。第4報告:新井祥穂(東京農工大学)「「近畿型中山間」地域の土地利用型法人の経営展開―「近畿型」から雇用劣化へ―」。それぞれの報告に対するコメンテーターは、横山英信先生(岩手大学)にご担当いただいた。また、全体の司会進行を、山崎と新井が交互に担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題で当初の調査対象地として予定していた、①青森県・五所川原市、②長野県・上伊那郡・宮田村において、それぞれ数十戸程度の〈農家+土地持ち非農家世帯〉を対象とした集落調査を、既に、①2018年と②2019年に実施した。 一般に調査結果をまとめる場合には、〈中間集計表の作成→データの分析→分析結果の研究チーム内部での検討→調査対象地での補足調査→現地報告会→論文・学会報告等を通じた結果公表〉、の手順を踏むことになる。五所川原市で収集した資料の分析は既に完了しており、当該年度中に現地報告会を行う予定であった。だが、現下の新型コロナウイルス禍のためにそれを行うことができないでいる。しかし、現地報告会は研究を進めて行くうえでどうしても必要なものではなく、事情があって実施できない場合には、やらないという選択肢もありうるであろう。その場合には、この研究段階を飛ばして、学会向けの研究発表へと進むことになる。 宮田村の調査結果は、既に中間集計表の作成を終えており、さらにそれを分析して、分析結果を研究チームの内部で検討するところまで行っている。こうした過程を経て得られた研究成果を、「研究実績の概要」のところで述べた、2021年日本農業経済学会特別セッションで報告したわけである。しかし、やはり新型コロナウイルス禍の影響から、宮田村研究では必要と考えている「現地での補足調査」を実施できないでいる。そのために本課題の研究期間を1年間延長して2021年度までとした。 以上の経緯を考慮して、本課題の現在までの進捗状況を「(2)やや遅れている」に相当すると判断したわけである。
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Strategy for Future Research Activity |
青森県・五所川原市における調査結果は、既に論文化するところまで行っているので、あとはこれを完成させたうえで、しかるべき学会誌に投稿することになる。 長野県・宮田村における調査結果は、分析結果を研究チームの内部で検討し、その結果を、「研究実績の概要」のところで述べたような形で、2021年日本農業経済学会特別セッションで公表したところまでは行っているが、そこでの検討をふまえて調査対象地で今後新たに補足調査を行なう必要がある。しかし、従来通りの対面での現地調査を今後行なえるかどうかは、現下の新型コロナウイルス禍の下では何とも言えない。今後は、場合によっては、補足調査を行わずに昨年に集めたデータのみに基づいて論文化を進めるか、あるいは補足的にどうしても必要な情報は電話やインターネットで可能な限り集める必要がある。ともかくこうした作業を経て、宮田村の調査結果については、書籍として公刊する予定である。それは、2015年3月に筑波書房より刊行した星勉・山崎亮一『伊那谷の地域農業システム』の、今回の2019年調査をふまえた続編になるとともに、宮田村における過去数十年間にわたって様々な研究主体によって取り組まれてきた調査結果を総括するものになるであろう。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス禍の下で、青森県・五所川原市と長野県・宮田村の研究対象地で予定していた、対面による現地報告会、及びやはり対面による補足調査を当該年度中に実施することができなかった。これらのことを事情が許せば次年度に実施する。 また、こうした対面による取り組みが実施できるか否かに関わらず、五所川原市の研究成果を論文として発表し、宮田村の研究成果を書籍として刊行する。
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Research Products
(16 results)