2019 Fiscal Year Research-status Report
国際競争下における食料産業クラスター形成による地域デザイン創造の展開と可能性
Project/Area Number |
18K05870
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長命 洋佑 九州大学, 農学研究院, 助教 (10635965)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南石 晃明 九州大学, 農学研究院, 教授 (40355467)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 食料産業クラスター / ネットワーク / 地域デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、地域を先導する農業者・事業者が主体となり地域発「食料産業クラスター」形成による「地域デザイン」創造(地域間ネットワーク形成・海外輸出等含む)を視野に入れた理論構築を行い、次世代の地域農業経営の確立に寄与することである。課題遂行のために、以下の3つのサブ課題を設けている。 1)「食料産業クラスター」形成における参画者の意識構造の解明、2)クラスター参画者間における「地域ブランド」創出に資するネットワーク構築理論の検討、3)地域の枠を超えた新たなクラスター間連携による「地域デザイン」創造の検討である。 これらの成果を統合化し、異業種間・広域地域でのネットワーク構築を可能とする新たな「食料産業クラスター」形成による「地域デザイン」創造の展開と可能性に関する基礎的知見を得る。 以上の課題解決に際し、本年度は以下の2つの調査を実施した。まず、海外調査においては、中国内モンゴルにおいて、畜産経営および乳業メーカーにおけるクラスター形成・ネットワーク構築に関する調査を行った。調査に際して、1万頭を超えるギガファームへの聞き取り調査を実施し、ミルキングパーラーの利用やICTによる個体管理、乳業メーカーによる飼料生産合作社の設立(含貧困対策)など、乳業メーカー主導による大規模垂直型クラスターの形成が図られていることが明らかとなった。また、国内の調査では、熊本県における畜産経営を調査し、施設内たい肥の循環システムおよび広域地域における耕畜連携クラスターが形成されている実態を明らかにした。 これらの調査結果より、大規模垂直型のクラスターおよび広域連携型のクラスターの形成が図られていることから、新たな「地域デザイン」が創出されつつあることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月にオランダでの酪農・園芸調査を予定していたが、新型コロナウイルス発生のため、調査を実施することができなかった。調査に関しては、新型コロナウイルスが終息していれば、次年度に行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度のとりまとめの年度となる。本年度は、以下の2つの課題解決を遂行し、3年間の総まとめを行う予定である。 1)「食料産業クラスター」形成における参画者の意識構造の解明 2)クラスター参画者間における「地域ブランド」創出に資するネットワーク構築理論の検討 以上の課題に対して、今年度実施できなかったオランダでの調査も加味し、国内外における食料産業クラスター形成に関する成果物を刊行する予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年3月に予定していたオランダ調査が新型コロナウイルス発生のために、実施できなかったため。次年度に調査実施予定。
|
Research Products
(5 results)