2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on cementation technique of soil using waste oyster shell and its application
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18K05875
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
金山 素平 岩手大学, 農学部, 教授 (60398104)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 産業廃棄物 / カキ殻 / リン酸カルシウム化合物 / 固化処理土 / 一軸圧縮強度 / 竹繊維 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては,産業廃棄物の有効な活用方法を提案するとともに新しい土の固化処理方法の開発を目的とし,基礎的な固化性能の把握,試料の構造骨格の観察を行い,廃棄物を使用した土の固化処理について検討する.具体的には,自然界の物質の中で骨や歯の主要な構成物であるリン酸カルシウム化合物に着目する.本研究において,リン酸カルシウム化合物は,カキ殻の主成分である炭酸カルシウムとリン酸との化学反応により生成される. 養生中の固化処理土の破壊原因となるガスの発生を考慮した方法で土の固化処理を行い,固化処理土の強度に与える影響を実験的に検討した.具体的には,カラム内で養生中に発生したガスが送水液と移動するようにポンプを常に稼働させ,開放状態の別のカラムから空気中へと拡散させた.この養生方法を採用した14日後の供試体の最大圧縮応力は119.3 kN/m2 であった.ガス発生を考慮しない先行研究における一軸圧縮試験結果より大幅に強度が増加することを確認した.また,リン酸カルシウム化合物の析出量を確認するため,養生前と養生後に供試体の質量を計測した.その結果,養生日数の増加に伴うリン酸カルシウム化合物の析出量の増加が確認され,析出量は5.8~9.8g であった. また,廃棄物となる竹繊維を使用し,その形状と添加量が土の力学的特性に及ぼす影響について検討した.竹繊維混合土の最大圧縮応力は,長繊維を混合した場合に繊維量が増加するに伴い,強度が増加する傾向にあり,短繊維や微細繊維を混合した場合は繊維量が増加するにつれ強度は低下することが分かった.さらに,変形係数については,竹繊維の形状に影響を受けることはなく,竹繊維の添加量が増えると変形係数は低い値を示すことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究において高いカキ殻混合比を採用した場合,CO2ガスがカラム下部に集中し内部圧力を高めたことによって,供試体に亀裂を生じさせ強度低下につながることが観測された.この問題を解決するため,送液と排気の分離などの養生方法の改善について検討を行い,先行研究結果より高い強度を有する供試体の作製が可能であることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
一軸圧縮試験の結果から,ガス発生を考慮しない先行研究よりも強度が増加することを確認したため,リン酸溶液を循環させる方法は,ガスの発生を考慮した土の固化処理方法として有効であると考えられる.しかし,リン酸溶液を循環させることにより,カラム下部に位置するカキ殻に高濃度のリン酸溶液が接触し続け,カラム下部でカキ殻が減少し,弱部が形成された.また,カラム内におけるリン酸溶液の通過が供試体とカラム内壁との間へ偏ったことにより,供試体内部において固化が進行せず,側面と比較して強度が発現しにくいことが分かった.このような弱部の形成は強度低下につながるため,試料を均質に固化できるように養生方法を改善する必要がある.
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Research Products
(15 results)