2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Leaching of Coarse Aggregate Using Limestone from Concrete Irrigation Facilities
Project/Area Number |
18K05889
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
北辻 政文 宮城大学, 食産業学群, 教授 (30195268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 石灰石骨材 / 現地調査 / 溶脱 / pH / コンクリート水利施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
石灰石粗骨材を用いたコンクリート水利施設では、粗骨材が先行してクレータ状にくぼむ変状が発生している。本年度は、この現象解明のため北海道および九州の現地調査を行った。 北海道では、コンクリート橋脚の施工21年後の外観において溶脱が確認された。国営施設の頭首工に隣接していた。橋梁下部工流水面で、石灰石粗骨材がくぼむ溶脱が見られた。流水面は全体的に白く、溶脱深さは、4.2~10.2mmであった。また隣接していたコンクリートブロック護岸工でも、溶脱が起き、地区内のPCaコンクリート製品水路や現場打ちコンクリート水路でも同様であった。冬および秋に採取した水の水質は、pH5.7~7.2、全硬度62~70mg/Lであった。 九州では頭首工固定堰の施工11年後の外観を調査した。県営事業で造成され、取水量が3.2m3/secのかんがい水利施設である。旧コンクリート固定堰と補修済みコンクリート固定堰で構成され、前者は骨材が露出し、後者では粗骨材のくぼみが起きていた。また、地区内の現場打コンクリート水路においても、粗骨材のくぼみが起きていた。頭首工の近くで採取した水の水質は、pHが7.8、全硬度が37mg/ℓであった。 コンクリート水利施設の骨材の溶脱を解明するためには、溶脱を起こす石灰石粗骨材の特性の影響を明らかにしなければならない。石灰石骨材の溶脱は水の溶解特性が関係し、溶媒および溶質の物質移動過程が存在する。わが国の水は軟水か多く、石灰石粗骨材利用のコンクリート水利施設では、骨材の溶脱が起きる可能性が高く、リスク管理の上、河川水が石灰石骨材におよぼす溶脱が危惧される地域を特定することは重要な課題である。
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