2018 Fiscal Year Research-status Report
電気探査・浸透シミュレーションによる浸透部推定手法の特性解明
Project/Area Number |
18K05891
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
井上 敬資 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 主任研究員 (60414455)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電気探査 / 浸透解析 / 浸透部推定 / 透水係数 / 物理探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、数値実験において、高透水部を有する複数の3次元浸透モデル地盤を作成し、浸透シミュレーションより得られた水分分布に対して電気探査シミュレーションを行い、電位分布を作成した。そして、初期地盤の比抵抗分布・透水係数分布の違いによる、電位応答分布の感度特性を整理した。 熊本地震で漏水が顕著になった水田で行った湛水試験の比抵抗モニタリングデータについて3次元比抵抗解析を行った。従来の電気探査装置と1断面の測定間隔が30秒の瞬時電気探査装置を用い、3次元比抵抗分布の時間変化を複数ステップで可視化した。瞬時電気探査装置と従来の探査装置で得られたデータの3次元比抵抗分布は同様な傾向を示し、湛水初期の段階では、水田下よりも畔部の方の比抵抗の変化が大きかった。これらより、漏水箇所は水田下よりも畔部である可能性が高いことが示唆された。 また、8測線の2次元探査と3次元探査のそれぞれのそれぞれデータを3次元比抵抗解析した結果、概ね同様な比抵抗分布を示し、2次元探査データのみであっても、3次元的な比抵抗分布の推定が可能であることが示唆された。 瞬時電気探査装置では、従来の探査装置では、把握が困難であった湛水初期の比抵抗変化を可視化することができ、測定間隔の短い探査データが得られたことで、浸透シミュレーションを併用した高浸透部の推定において、不確実性を低下できることが期待される。 浸透が問題となっている実規模地盤で電気探査を行い、検証用の探査データを先行して取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
並列計算やスパースモデリング等のセミナーなどに参加し、浸透現象および電気探査の数値解析を効率的に行うことを検討した。また、数値実験において、高透水部を有する複数の3次元浸透モデル地盤を作成し、浸透シミュレーションより得られた水分分布に対して電気探査シミュレーションを行い、電位分布を作成した。そして、初期地盤の比抵抗分布・透水係数分布の違いによる、電位応答分布の感度特性を整理した。また、測定間隔が30秒の瞬時電気探査装置を用いることを想定し、熊本地震で漏水が顕著になった水田で行った探査データについて3次元比抵抗解析を行い、浸透状況を複数ステップで可視化した。これらより、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、数値実験を行ったモデルに対応する模型地盤を研究所内に作成し、複数の地盤・透水モデルにおいて、浸透実験を行い、電気探査データを測定する。測定には、瞬時電気探査装置を用い、10分間隔の探査データを測定する。そして、電気探査データからの比抵抗分布・透水係数分布の推定精度を検証する。 3年目は、実規模地盤において、本手法の適用範囲の検証を行う。電気探査と浸透シミュレーション手法による高透水部推定に効果的な数値解析手法および効果的な測線配置および電極配置を提案するとともに、適用限界を示す。なお、現地現場で検討が行えない場合は、過去に測定を行った、水田やため池地山での漏水調査の電気探査データを用いて行う。
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Causes of Carryover |
並列計算用のコンパイラを購入する予定であったが、購入予定のコンパイラのバージョン変更時期に重なり、年度内に購入することができなかった。また、使用予定である瞬時電気探査機にデータのドリフトが発生することが判明し、その対応をする必要が出た。そのため、次年度では瞬時電気探査機の校正を優先して予算を使用する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Geophysical Investigation of Farmlands Damaged by the 2016 Kumamoto Earthquake2018
Author(s)
keisuke inoe,kosuke wakasugi,yasuyuki wakiyama,ryosuke nomiyama,nobuhisa koga,hiroshi niimi,hirotaka ihara,noriko yamaguchi,tsuyoshi yamane,keiko nakano,Seiji Tanaka(Kumamoto Prefectural Uki Area Promotion Bureau)
Organizer
Taiwan-Korea-Japan joint symposium on survey and evaluation technologies of underground environment
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