2019 Fiscal Year Research-status Report
フレーバーホップの乾燥・添加方法を指標とした苦味と香気成分の見える化
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18K05898
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
齋藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50221990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 匡嗣 宇都宮大学, 農学部, 助教 (60750198)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホップ / 煮沸工程 / ワールプール工程 / 主発酵工程 / ポリフェノール / 苦味 |
Outline of Annual Research Achievements |
模擬醸造試験によって煮沸工程,ワールプール工程および主発酵工程で,ホップを添加する工程およびホップの浸漬時間が麦汁の総ポリフェノール量と苦味価に与える影響を検討した. 煮沸工程では,ホップ添加タイミングに関わらず,単位時間当たり麦汁に付与される苦味価は同程度であり,麦汁に付与される苦味価は浸漬時間に依存した.Boil60区において苦味価は0分時の1.5から60分時の68.7に増加し経時的な増加が確認された. Boil60区において総ポリフェノール量187mg/Lから60分時の355mg/Lに増加し経時的な増加が確認された. ワールプール工程中で、Addhop区では5分毎に約1.5ずつ増加し,15分時点における苦味価は8程度であった.ホップ浸漬時間が同じである煮沸工程のBoil60区の15分時点の苦味価(19.9)とワールプール工程のaddhop区の15分時点の苦味価(8.3)には2倍以上の差があった.α酸の異性化は温度と時間に強く依存するため,ワールプール工程での温度低下が異性化効率を下げたと推察された. 主発酵工程では, Unhop区において,苦味価はほとんど変動しなかった.Addhop区において,苦味価は0日目(1.8)から2日目(25.3)に大幅に増加し,2日目以降に10程度ずつ増加した.一般的に非加熱工程である主発酵で苦味は付与されないが,本実験ではホップの浸漬時間が長くなるほど苦味価は増加した.これはhumulinoneという苦味の酸化物を含んだ値であることが推察された。Unhop区において総ポリフェノール量は0日目(217 mg/L)から,2日目(197 mg/L)に減少し,2~7日目は同程度で推移した.麦汁の清澄化に伴うポリフェノールの消費はunhop区およびaddhop区の両者で確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精度の高い模擬醸造工程を再現できており、安定的に煮沸工程、ワールプール工程、主発酵工程を維持し、ポリフェノール、苦味価のデータを取得できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、この模擬醸造過程を安定的に維持し、香気成分の変化を詳細にとらえることに集中する。
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Causes of Carryover |
模擬醸造工程を安定的に整備でき、繰り返しを効率的に進められ、試薬や資材を有効活用できたため。
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Research Products
(2 results)