2019 Fiscal Year Research-status Report
蛍光指紋による環境光下での食品汚れの非破壊検知システムの開発
Project/Area Number |
18K05900
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
柴田 真理朗 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (40590360)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 蛍光指紋 / 食品汚れ / ATP / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は1)タンパク質ふき取りキットおよびBCA法を用いたタンパク質汚れの評価、2)HPLCを用いた核酸関連物質の測定、3) 非水溶性物質の蛍光指紋測定を実施した。まず、豚肉とレモンの食品抽出液を希釈し、ステンレス板(SUS304)に塗布した後、25℃、2 時間乾燥させた。その後、インスタント CIT50(3M)およびクリーントレースPRO50(3M)の2 種類の簡易たんぱく質測定キットで汚れ量の評価を行った。CIT50では40 倍希釈まで検出することができた。一方、クリーントレースPRO50では原液のみ検出が可能であった。また、Pierce 660 nm Protein Assay Kitによってタンパク質量を測定した。次に、 15 品目の食品抽出液を調製し、HPLCによって核酸関連物質を測定した。希釈率20倍までがHPLC測定で安定して測定が行うことができた。いか、えび、牛肉、豚肉、鶏肉においては、原液において ヒポキサンチン の割合が高かった。えび、豚肉、鶏肉においては、原液のATPは0.02μg/μL以下と少なく、一方、ヒポキサンチンは0.092~0.20μg/μL含まれていた。さらに、トマト、および緑茶からまたビタミン類、クロロフィル類等の非水溶性物質の蛍光指紋による検知を試みた。トマト抽出液の蛍光指紋では、核酸関連物質や NADH、細胞壁由来のフェルラ酸やリグニン酸のピークが期待できるが、エタノール抽出によって得たトマト抽出液、緑茶の抽出液の蛍光指紋図においては、ターゲットとした極端なビタミン類のピークや、クロロフィル類のピークを確認することができなかった。今後はさらなる抽出条件の検討を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ATPおよびタンパク質等、蛍光指紋データの裏付けとなる成分抽出および測定値のバラツキが大きく、再測定や手法の再検討を行ったため、予定した量のデータセットが完成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
安定した測定値が得られない食品に関しては優先順位を下げ、データの解析およびフィルタ設計を優先して行う。
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Causes of Carryover |
フィルタの作成まで至らなかったので当初予定した予算を完全に消化しなかった。2020年度の助成金は、フィルタ作成、論文掲載費、消耗品代等に使用する予定である。
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