2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of non-destructive detection system for food residue under ambient light using fluorescence fingerprint
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18K05900
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
柴田 真理朗 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (40590360)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 蛍光指紋 / 食品汚れ / ATP / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はステンレス板上に塗布した13品目の食品残渣における、1) 抽出法による食品残渣の蛍光指紋の比較、2) 5つのカテゴリ(飲料、海産物、畜産物、乳製品、農産物)の判別分析および主成分分析、3) タンパク質含量の予測モデルの構築を行った。 まず、脂溶性物質についてクロロフィルとビタミン類を標的物質として検知するため、トマトについて、メタノールとエタノールにより抽出を行った。エタノール抽出における蛍光指紋では、水溶性物質であるトリプトファンおよび核酸関連物質、NADH(のピークを検出することができた。メタノール抽出においては、リボフラビン、クロロフィルAおよびヘマトポリフェリンのピークを確認した。 次に、食品13品目の蛍光指紋データを用いた判別分析を行った結果、バリデーション群における誤判別の割合は30.7%であった。また、主成分分析においては、第一および第二主成分は濃度と水溶性蛍光物質を示していると考えられた。第三主成分の負荷量はNADHに特異的であった。第四主成分の負荷量はトリプトファンのピークと類似し第五主成分の負荷量はATPをはじめとする核酸関連物質のピークと関係していた。 最後に、波長条件の蛍光強度を説明変数、タンパク質量を目的変数として、PLS回帰分析によるタンパク質量推定を行った。キャリブレーション群において、決定係数の値は0.88、RMSEの値は、0.20 mg/mLであった。一方、バリデーション群では、決定係数の値は0.80、RMSEの値は、0.27 mg/mLであった。標準化回帰係数のプロットにおいて、励起波長200~250 nm、蛍光波長250~350 nm付近にピークを確認でき、これらは、鶏肉、チロシンやフェニルアラニンなどの遊離アミノ酸のピークと一致することから、タンパク質の定量には、それらの物質が関与していたと推察された。
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