2020 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of cover crop containing allelochemicals on decomposition of organic matter and weed suppression in winter
Project/Area Number |
18K05918
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平田 聡之 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (60281797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 篤 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (30463269)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カバークロップ / 積雪 / 土壌内窒素 / 土壌微生物叢 / アレロケミカル / 雑草抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、土壌内窒素、ヘアリーベッチの雑草抑制物質であるシアナミドおよび土壌微生物叢の分析から冬期間のヘアリーベッチが土壌窒素環境および雑草抑制に与える影響について、地温が氷温で凍結しない積雪下条件と土壌の凍結―解氷サイクルが生じる排雪条件下で検討した。 土壌内窒素の調査では、調査した2019年度と2020年度ともヘアリーベッチ栽培区で2月以降にアンモニア性窒素量が急激に増加したが、積雪処理間の差異は小さかった。硝化に関与するNitrosomonadaceaeとNitrospiraceaeについて、全細菌類に対する相対値を処理区間や時期別で比較したところ、年次間で傾向が異なった。2019年度では2月から4月にかけてヘアリーベッチの積雪処理区でNitrospiraceaeが増加し、2020年度では2月に同処理区のNitrospiraceaeが増加した。このことから、ヘアリーベッチ栽培区の冬期間のアンモニア性窒素の上昇は、特定の菌相の増加に起因したものでないと考えられた。 越冬時におけるヘアリーベッチ内のシアナミドは、2月までに測定検出外まで減少したことから、早春の雑草抑制に対するシアナミドの直接的効果は極めて小さいと考えられた。また、シアナミドは土壌内で重合し、硝化抑制効果のあるジシアンジアミドを形成するが、培養試験においてヘアリーベッチ内のシアナミドからジシアンジアミドへの変換効率が極めて低かったことから、2月以降のアンモニア性窒素の増加は、ジシンジアミドによる硝化抑制効果ではなく、低温による硝化阻害が原因であると考えられた。早春時のアンモニア性窒素量を投与した雑草の発芽試験では、低温下においてギシギシの平均発芽日数の遅延が認められたことから、ヘアリーベッチ栽培後の早春における雑草抑制の一因は、アンモニア障害によるものと推察された。
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Research Products
(4 results)