2021 Fiscal Year Research-status Report
Application of selection for desired changes for improving the ratio-defined character
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18K05934
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 正寛 東北大学, 農学研究科, 教授 (70370658)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 比の形質 / 正規分布 / 制限付き選抜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、比の形質を改良するうえで最も効率的な手法を開発する。また、例えば乳脂率と乳量のように、比の形質とその構成形質を同時に改良したいとき、最も効率のよい選抜手法を開発する。 本年度は、比の形質における構成形質を選抜する場合の制限付き選抜指数法について、様々な角度から理論的検討を行った。これまで、制限付き選抜指数法は、いくつかの形質の改良量を0に制限して総合経済育種価を最大にする方法(Kempthorne型選抜指数)、いくつかの形質の改良量の比率が一定になるような制限の下で総合育種価を最大にする方法(Harville型選抜指数)、改良したい形質の相対希望改良量を達成するための方法(Yamada型選抜指数)に分類できるとされてきた。本研究では、まずこれらの制限付き選抜指数が同値(equivalent)であることを明らかにした。 次に、制限付き選抜指数により制限を付加した形質における推定育種価は、Kempthorne型の場合は0、Harville型やYamada型の場合は改良量の比に比例することを明らかにした。また、形質に制限を付加しない選抜指数による推定育種価と制限を付加した選抜指数による推定育種価が線形関係にあることを代数学的に明らかにするとともに、真の育種価と制限付き育種価との関係を幾何学的に明らかにした。 以上の研究成果は、比率の形質において、シミュレーションなどによって選抜反応を比較する上で有用な評価基準となる。 さらに、新たな試みとして、比の形質を改良する上で欠かせない相対希望改良量を達成するための効率的な選抜手法について、すべての血縁情報を用いた家系選抜指数から選抜形質の重み付け値を算出し、これを育種価のBLUPと組み合わせた選抜法の理論を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の達成度は、ほぼ当初の計画通り順調である。本年度は、従来の方法よりも制限付き育種価の推定精度が高いと考えられる新たな理論を考案することができたものの、理論の検証が不十分である。。
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Strategy for Future Research Activity |
比の形質を改良する上で欠かせない相対希望改良量を達成するための効率的な選抜手法について検討した結果、これまでの方法よりも制限付き育種価の推定精度が高いと考えられる新たな理論を考案した。この理論による制限付き育種価の推定精度を検証するため、モンテ・カルロ法によるコンピュータシミュレーションによりデータを発生させ、新たな理論による選抜効果を検証する。
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Causes of Carryover |
本年度に考案した従来の方法よりも制限付き育種価の推定精度が高いと考えられる新たな理論を検証するため、モンテ・カルロ法によるコンピュータシミュレーションによりデータを発生させ、新たな方法による選抜効果を明らかにする。また、次年度はこの手法による研究成果の論文投稿を予定しており、主として英文校閲や投稿料、オンラインオープンの掲載料等に使用する。
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