2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on blood flow improvement feed with suppressive effect on Wooden Breast Syndrome in broilers
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18K05941
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| Research Institution | Rakuno Gakuen University |
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Principal Investigator |
渡邉 敬文 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (50598216)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | ブロイラー / 異常胸肉 / 酸化ストレス / マイトファジー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ブロイラーの胸肉が異常な肥大とゴム状に硬化する「異常胸肉」の発生機序の解明と、正常胸肉の安定的な産出を目指した新たな鶏飼料の開発である。これまでに、異常胸肉は胸肉の急速な発達に酸素の供給が追い付かない酸化ストレスから始まることが種々の研究で明らかになっている。当初の計画では胸肉への血流量の改善による酸化ストレスの軽減を目指すことにしていたが、血管新生機構と酸化ストレスには明確な関連性を特定することが出来なかった。しかしながら、前年度までの研究により、「Ⅰ. 高蛋白質飼料を給餌した群では増体効率を維持したまま異常胸肉の発症率の抑制傾向を認める」、「Ⅱ. 酸化ストレスに対して胸肉の筋線維はミトコンドリアの選択的オートファジーであるマイトファジーにより対応するが、その機構が破綻した時に急速に筋線維の破綻と線維化が進む」ことを見出している。いずれも異常胸肉の研究では新規性の高い知見であるため、2020年度は上記2点を中心に研究を遂行した。具体的には、①光学顕微鏡観察による筋線維の崩壊と線維化の評価、②電子顕微鏡観察によるマイトファジーの評価、③q-PCR法による酸化ストレス関連遺伝子、筋線維の炎症と線維化関連因子、およびミトコンドリア動態とマイトファジーに関与する遺伝子の解析、④酸化ストレスマーカーである脂質過酸化物質のTBARSアッセイ法による解析、を行い以下の成果を得た。
成果１：孵化後12日齢まで蛋白質含有量が充足した飼料を給餌した鶏と、蛋白質が不足した飼料を給餌した鶏とでは、13日齢以降は同質の飼料を給餌しても初期に蛋白質を充分に摂取した鶏では異常胸肉の発症率が抑制された。成果2：形態学的な変化とミトコンドリア動態およびマイトファジー関連遺伝子の発現には有意な負の相関性が認められ、生理的マイトファジー機能の破綻が異常胸肉の線維化を促進することが証明された。
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