2019 Fiscal Year Research-status Report
犬の骨髄疾患におけるクローン性の検出および原因遺伝子変異の探索
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18K05967
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越野 裕子 (後藤裕子) 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (80436518)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 真性多血症 / 犬 / クローン性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. XCIP解析法の改良 犬におけるX染色体不活化パターン (XCIP) 解析の対象症例を増やすために、これまで用いていたandrogen receptor (AR) 遺伝子上の2箇所のリピート部位に加 え、さらにSLIT and NTRK-like family member 4 (SLITRK4) 遺伝子上の2箇所のリピート部位を加えた解析方法を構築した。この方法によりメス個体の83%が解析可能となり、57%が解析可能であったこれまでのAR遺伝子のみを用いた方法と比較して大幅に解析可能個体を増やすことに成功した。研究成果はRes Vet Sci (2019) にて発表した。 2. 網羅的解析に供するPV症例サンプルの収集および解析 真性多血症 (PV) と診断された2頭の雌犬について末梢血サンプルを得ることができた。これら2例のうち、1例についてはXCIP解析によりクローン性が示され、1 例についてはXCIP解析が不可能であった。それぞれの症例の末梢血単核球を、抗CD3モノクローナル抗体と磁気ビースを用いてCD3陽性Tリンパ球(正常細胞群) とCD3陰性有核細胞(異常クローンを含む細胞群)の2群に分離した。それぞれの症例について2細胞群からゲノムDNAを抽出し、ターゲットリシーケンスにより腫瘍関連性遺伝子の変異を検索した。候補遺伝子については上記サンプルを含むPV症例末梢血サンプルより分離したゲノムDNAを用い、サンガーシーケンスにより検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PV症例のCD3陽性Tリンパ球群から抽出されたゲノムDNA量が想定より少なかったため、予定していたエクソーム解析を行うことができなかった。代わって、必要DNA量が少なくて済むターゲットリシーケンスに解析法を変更し、腫瘍関連遺伝子の変異を探索することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
ターゲットリシーケンスで抽出された候補遺伝子についてPV症例を用いたサンガーシーケンスによる検証を行う。CD3陽性Tリンパ球より分離されたゲノムDNAのクオリティーがやや低いことがわかっているので、候補遺伝子は絞りすぎずに検証に臨む。 PV症例の末梢血サンプルは引き続き収集するものとする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Development of canine X-chromosome inactivation pattern analysis for the detection of cell clonality by incorporating the examination of the SLIT and NTRK-like family member 4 (SLITRK4) gene.2019
Author(s)
Tomita A, Mochizuki H, Tsuboi M, Ogura I, Igarashi H, Goto-Koshino Y, Takahashi M, Ohmi A, Tomiyasu H, Ohno K, Nakagawa T, Uchida K, Nishimura R, Tsujimoto H
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Journal Title
Res Vet Sci
Volume: 125
Pages: 170-175
DOI
Peer Reviewed
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